この記事は、メルマガ「日刊アクトパスNEWS」の一本です。温浴業界の「今」が、毎朝メールで届きます。
「あの漫画の新刊が入るから、今度の休みはあそこに行こう」。そんなふうに、お風呂に出かける予定が決まることもありそうです。
漫画から温浴施設を探せる「スパコミック」の秋元さんに伺うインタビューも、最終回。作品を見つけた先にある、気持ちよく読める本棚や、次の来店が楽しみになる工夫について伺います。
楽しみにしていたのに、読めない。その残念さを減らしたい
【アクトパス原田】
漫画が目的で来ていると考えると、施設に着いてから、きちんと読めることも大切ですね。
【スパコミック秋元さん】
そうなんです。僕も気になるのが、読みたい漫画に食べかすがついていたり、破損していたり、途中の巻が抜けていたりすることです。
それを楽しみに来ているので、残念なんですよね。お風呂で言えば、炭酸泉を楽しみに来たのに、炭酸が出ていないような感覚です。
ただ、破損に気づいても、スタッフさんに直接伝えにくい方もいます。そこで、お客様のスマホから報告でき、担当者に自動でメールが届く機能をつくりました。
漫画を置いているだけでなく、きれいにそろっていて、読みたい巻がちゃんとある。そこまで含めて、気持ちよく過ごせる環境にしていきたいと思っています。
新刊の発売が、お風呂へ行く予定になる
【アクトパス原田】
漫画喫茶では発売されたばかりの新刊を読めることも多いですが、温浴施設でも、そういう楽しみ方を広げようとしているのですね。
【スパコミック秋元さん】
はい。漫画喫茶には、新刊を購入して、発売日に届くようにしているところがあります。一方、温浴施設では、漫画をレンタルでそろえ、新刊の補充や定期的な入れ替えを任せているケースもあります。届くタイミングは契約や配送の仕組みによって違うので、発売日に合わせて読みたい作品を入れるには、そのための手配や管理が必要になるんです。
そこで、2026年10月から「南柏天然温泉 すみれ」さんで、レンタルに新刊の購入を組み合わせる取り組みを始めました。
普段のレンタルは続けながら、需要のある作品の新刊を、施設で購入します。
施設にある漫画の新刊発売日や、購入すべき巻を確認でき、Amazonなどでの購入までスムーズに進められるよう支援しています。
利用者の方は、施設のページにある新刊入荷カレンダーで予定を確認できます。自分がよく使うカレンダーアプリにワンクリックで登録できるので、「この日に新刊が入るから、お風呂に行こう」と予定を立てられますよね。
これまでは漫画喫茶に行こうと思っていた方にも、「お風呂も楽しめるなら、温浴施設もいいな」と思ってもらえるかもしれません。
読みたい漫画があることに加えて、新刊も入っている。そういう環境をつくっていきたいです。
※「すみれ」では対象作品を発売日または翌日に入荷予定。配送・館内準備により変わる場合があります。

「南柏天然温泉 すみれ」の新刊入荷カレンダー。読みたい作品の入荷予定を確認できる。
▼「すみれ」で読める漫画・新刊入荷カレンダー
https://spacomic.com/minamikashiwa
1万冊の本棚で、読みたい一冊を見つける
【アクトパス原田】
こうした仕組みは、スーパー銭湯以外にも広がっているのでしょうか。
【スパコミック秋元さん】
ホテルとの連携も始まっています。例えば、漫画が約1万冊あるホテルで、館内の本棚から読みたいものを探すのに困っていたケースがありました。
その場合は、まず集客というより、すでに来ているお客さんが漫画を探せるようにすることが大切だったんです。
スパコミックには、銭湯やホテル、カプセルホテルの情報もあります。業態ごとの需要は、掲載数やデータを増やしながら、これから見ていきたいですね。
忙しい施設の方へ、リンク一つで見られる動画レポートを
【アクトパス原田】
施設の方にデータを活用してもらうために、工夫していることはありますか。
【スパコミック秋元さん】
管理画面を用意しても、なかなか見ていただけないことがあるんです。施設の方は忙しいですし、ほかにもいろいろなサービスの管理画面がありますよね。
それなら、月に一度、動画のレポートでお届けできないかと考えて、今つくっているところです。リンクを開くと、施設のデータや利用状況を順番に見られるようにしたいんです。
管理画面にログインして、一つずつ数字を探さなくてもいい。担当者の方が上司にリンクをメールで送れば、その方にも同じ動画を見てもらえます。
【アクトパス原田】
リンク一つなら、施設の方も確認しやすいですね。そうした改善のヒントは、ご自身で営業に行く中で見つかるのでしょうか。
【スパコミック秋元さん】
そうですね。自分で営業に行くと、相手が本当に解決したいことを直接聞けます。人を何人も挟まずに、その場で聞いて、自分で考えて直せるのはいいところです。
自分のサービスについて、分からない部分をつくりたくないという気持ちもあるのかもしれません。何が問題なのかを考えて、解決するのが好きなんだと思います。
お風呂やサウナに入っているときが、一番アイデアが浮かぶんです。営業先でも、次の予定がなければ必ず入ります。伺った困りごとの解決策を考えて、お風呂上がりに休憩所で形にし、その場でお見せしてから帰ることもあります。何度か驚かれましたね。
最近はAIも使っています。別の作業をしながら音声で相談したり、いくつかの作業を進めたり。そういう道具も使いながら、一人でできることを増やしています。
「ヨミタイ」と「推し」から、温浴施設へ
【アクトパス原田】
スパコミックには、検索以外の楽しみ方もあるのですね。
【スパコミック秋元さん】
読みたい漫画を登録する「ヨミタイ」や、お気に入り施設の登録などがあります。読みたい作品の新刊が施設に入ったことを、メールでお知らせする機能もあります。
それとは別に、漫画やアニメの「推しキャラ」を登録したり、投票企画を楽しんだりする方もいます。
面白いのは、漫画やキャラクターを登録している方と、施設をお気に入りにしている方が、必ずしも同じではないことです。
【アクトパス原田】
作品やキャラクターをきっかけに来た方に、温浴施設で読む楽しみも知ってもらえそうですね。
【スパコミック秋元さん】
そうです。温浴施設で漫画を読めること自体を、まだよく知らない方もいると思います。
投票企画などからスパコミックに来た方に、「この作品は温浴施設でも読めるんだ」と知ってもらう。今は、そうした出会いのきっかけを少しずつ作っているところです。
漫画の続きも、施設での過ごし方も楽しみに
【アクトパス原田】
温浴施設に関わるほかのサービスとの連携も、考えているのでしょうか。
【スパコミック秋元さん】
はい。漫画を読んで長く過ごすなら、食事やスマホの充電、ボディケアとも相性がいいと思っています。僕自身も妻と施設に行っていたので、二人で、家族で、一日楽しむ場所としての良さを感じています。
充電サービスの会社とは、すでに連携に向けたやり取りを始めています。
ボディケアも、例えば館内で漫画を探しているときに、空き時間やプランが分かったら面白いですよね。館内用の検索やQRコードを入口にして、施設内の案内につなげることを考えています。
これは、先方の情報と連携する必要がありますし、まだ構想段階の部分もあります。ほかの温浴情報サイトとの連携も含めて、施設で過ごす時間をもっと楽しめるようにしていきたいです。
【アクトパス原田】
最後に、これから実現していきたいことを教えてください。
【スパコミック秋元さん】
まずは、漫画が読める温浴施設を、もっと広く載せていきたいです。そして、読む環境そのものを良くしたい。
お風呂に入った後に、休憩スペースできれいにそろった漫画を楽しめる。途中の巻が抜けていなくて、新刊もある。そういう時間を支えていきたいですね。

自身も温浴施設で過ごす時間を楽しんできた秋元さん。
* * *
本棚の前で困った経験から、検索する仕組みをつくる。施設の方に集客について問われ、利用者の声を集める。管理画面を見てもらいにくければ、動画で届ける方法を考える。
秋元さんのお話には、いつも、実際に使う人の姿がありました。自分で確かめ、困りごとを見つけ、手を動かして直す。車の動きを評価していた頃からの仕事の仕方が、今は温浴施設の本棚を支えています。
読みたかった漫画が、きれいにそろっている。新刊も入っていて、食事やお風呂と一緒に一日楽しめる。利用者にとってうれしい時間の裏側には、こうした工夫が積み重なっているのですね。
次の休日は、読みたい漫画から行き先を選んでみる。作品の続きを楽しみに出かけた先で、お気に入りのお風呂が一つ増えるかもしれません。
秋元さん、お話をありがとうございました。そして、全4回にわたりお読みくださった皆さま、ありがとうございました。
(ハラダ)
▼漫画から、次に行きたい温浴施設を探す
https://spacomic.com/
▼施設の掲載・活用について
https://spacomic.com/lp/
※本連載のサービス内容・取り組みは、2026年10月の取材・確認時点の情報です。
終了後は月額1,100円(税込)で自動継続となります。
アクトパス跳会議|11月13日(金)開催
閉店直前月は、売上3倍。
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温浴施設の経営・運営に携わる方はもちろん、温浴業界に関わる企業の方もお気軽にお申し込みください。
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