この記事は、メルマガ「日刊アクトパスNEWS」の一本です。温浴業界の「今」が、毎朝メールで届きます。
気になっていた漫画を、一巻から読んでみる。昔夢中になった作品を、久しぶりに読み返す。お風呂上がりのひとときに、そんな楽しみを加えてみませんか。
「読みたい漫画」から温浴施設を探せるのが、検索サービス「スパコミック」です。施設の本棚にある紙の漫画を、出かける前にも、館内でも調べられます。
日刊アクトパスNEWSのインタビュー企画、第二弾は、スパコミックを運営する秋元さん。全4回にわたって、漫画と温浴施設の楽しみ方、そして、それを支える仕事について伺います。
まずは、どんな作品が探されているのか。検索ランキングには、話題の新作だけではない、興味深い顔ぶれが並んでいました。

いま、どんな漫画が探されている?
【アクトパス原田】
スパコミックでは、どんな漫画がよく検索されているのでしょうか。
【スパコミック秋元さん】
全体で見ると、やはり有名な作品や、話題になっている作品が上位に入っています。
ただ、新しい作品ばかりではないんです。
2026年9月のスパコミック・マンガ検索ランキングの上位は、次のとおりです。
1位 キングダム
2位 宇宙兄弟
3位 HUNTER×HUNTER
4位 ブルーロック
5位 薬屋のひとりごと
このほか、6位に『ゆるキャン△』、10位に『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』、25位に『NANA』が入っています。いずれも、スパコミック内で各作品を検索した人数による順位です。
【アクトパス原田】
「新刊を買う」と「温浴施設で読む」では、選ぶ作品も違ってきそうですね。
【スパコミック秋元さん】
そうですね。手元に持っていなくても、もう一度読みたい作品はありますし、巻数の多い漫画をまとめて読みたいこともあります。
例えば、1冊700円の漫画を20冊買えば1万4,000円になります。もちろん、手元に置く楽しさは別にありますが、お風呂に入って、ご飯も食べて、漫画を読んで、一日リフレッシュできる温浴施設には、また違った良さがありますよね。
僕自身も、漫画をたくさん買いそろえるというより、施設に行って読む楽しみ方をしてきました。
【アクトパス原田】
書店や電子書籍の売上ランキングとも、比べてみたのですよね。
【スパコミック秋元さん】
はい。書店や電子コミックの売上順位と見比べても、スパコミックのランキングは一味違います。ここでは単に「買う本」ではなく、「どこに行けば読めるか」を探しているからです。
SNSやイベントをきっかけにふと思い出した名作を「もう一度読み返したい」。そんな期待を込めて検索する人が多いのかもしれません。

本棚にも、施設ごとの個性がある
【アクトパス原田】
施設ごとに見ても、検索される作品は違うのでしょうか。
【スパコミック秋元さん】
違いますね。全体ではそれほど上位にいないのに、ある施設ではよく検索されている作品があります。
例えば『サ道』が上位に入る施設もありますし、『ちいかわ』がよく検索される施設もある。施設によって、関心を持たれる作品に違いがあるのは面白いところです。
地域や客層との関係もありそうだとは思います。ただ、施設によって検索の利用状況も違うので、そのあたりは、もっと確かめていきたいですね。
【アクトパス原田】
巻数の多い作品と、短く読み切れる作品では、どちらが探されやすいのでしょうか。
【スパコミック秋元さん】
今のところ、巻数だけでは、はっきりした傾向は感じていません。上位には『キングダム』や『宇宙兄弟』のように巻数の多い作品もありますし、もっと少ない作品もあります。
アニメ化などをきっかけに関心を持たれる作品もあります。何巻あるかだけで決まるわけではないと思いますね。
【アクトパス原田】
例えば、短い時間で利用する銭湯なら読み切りやすい作品、長く滞在する施設なら巻数の多い作品、という違いも調べられそうです。
【スパコミック秋元さん】
そうですね。業態ごとに整理すれば、今後調べられると思います。そのためには、まず施設の漫画情報をきちんと載せて、データを集めていく必要がありますね。
お風呂上がりに、読みたかった一冊を開く
【アクトパス原田】
スマホでも漫画が読める時代ですが、温浴施設に紙の漫画があることには、どんな良さがあると思いますか。
【スパコミック秋元さん】
僕自身、紙の方が読みやすいと感じます。スパコミックの利用者に、同じ作品を読むならどちらがいいかを聞いたアンケートでも、紙を選ぶ方が7割ほどいました。
また他社のアンケートデータにおいて、電子コミックを週1回以上読む人でも、約6割は紙で読む方が好き、10代に至っては7割が紙派という結果でした。
お風呂に入った後、休憩スペースで読みたい漫画を楽しめる。それが好きで来ている方は、やはりいると思います。
※スパコミック内での任意回答128件のうち、紙を選んだ割合は72.7%、電子は9.4%(2026年9月21日〜10月5日)。
※オリコン調査:電子コミックを週1回以上読む15〜79歳の9,113人が対象。2024年6月調査、同年10月発表。「紙派」は「どちらかと言えば紙」を含みます。
【アクトパス原田】
紙か電子かという読み心地だけでなく、読める作品の違いもあるのですよね。
【スパコミック秋元さん】
そうです。施設向けの電子漫画の読み放題を検討するなら、冊数と一緒に、どんな作品が読めるかも確かめてほしいですね。個別に購入する電子書籍とは違い、読み放題の対象作品から選ぶことになるので。
紙なら、施設のお客さんが読みたい作品を選んで、購入やレンタルでそろえていけます。「この漫画の続きを読みたいから、あの施設に行こう」と思ってもらえる本棚をつくれるわけです。
漫画を施設の魅力にするなら、僕はそこを大事にしてほしいと思っています。
【アクトパス原田】
紙の漫画を取り入れるなら、どれくらいの規模から考えられますか。
【スパコミック秋元さん】
スペースの事情もありますが、少しでも本棚を置けるなら、例えば1,000冊からでも検討していただきたいです。幅90cm × 高さ180cm × 奥行き30cm の本棚3つ分。本棚自体は、幅約3メートルに収まります。
9月の検索ランキングTOP100位の合計冊数を数えたところ、3,128冊でした。
最初から何万冊もそろえる必要はなくて、その施設で求められている作品を選ぶ。そろえた作品を、スパコミックで見つけてもらう。読みたい一冊を、施設に行く楽しみにつなげていきたいですね。
漫画の導入を考えている施設の方も、冊数や購入/レンタル、どんな作品をそろえるかなど、気軽にご相談いただければと思います。
『キングダム』をまとめて読みたい。久しぶりに『NANA』を読み返したい。名前を聞いたことのある作品を、一度手に取ってみたい。
本棚を眺めるだけでは分からなかった、誰かの「読みたい」。検索の記録には、そんな気持ちが少しずつ表れています。施設の方にとっても、次にそろえる作品を考える手がかりになりそうです。
読みたい作品から、お風呂に行く場所を選ぶ。その選択肢をつくった秋元さんは、もともと自動車のエンジニアでした。
次回は、サービス誕生のきっかけと、約56,000冊の本棚に挑んだ蔵書調査のお話です。便利な検索画面にたどり着くまでには、想像以上に地道な仕事がありました。
(ハラダ)
終了後は月額1,100円(税込)で自動継続となります。
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