現場リーダーの適性

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最近、複数の会員企業様から「支配人候補者を探している」というご相談を受けています。

そのようなご相談をいただくと、まず「この施設のリーダーに適しているのはどのような人物だろう？」ということを考えます。

温浴施設の運営組織は、その成り立ちによって様々な形態があります。

大手企業が新規事業として温浴事業に取り組む場合は、本社の中間管理職の方が支配人を務めることになることもあります。すでに多店舗展開をしている企業では、若い社員が店長に抜擢されるケースもあるでしょう。

一方、社長自らがリーダーとして現場に立っているようなこともあります。

どのような組織形態が良いと一概に言えるものではなく、それぞれの組織形態によって現場リーダーの役割が変わります。よって、組織形態によって、適任者や適性も変わってくるのです。

温浴施設は「装置産業」と言われることがあり、施設を構えてしまえば、あとはメンテナンス・清掃と受付精算をしていれば成り立つと思われていることがあります。

公共温浴施設の指定管理者制度などはその典型的な例です。必要以上の収益を上げることが必要ないため、運営現場やそのトップに求められるのは「決まった仕事を真面目にこなして欲しい」ということです。それがよいかどうかは別として、高度な経営判断や運営スキルまでは問われないのです。

しかし、しっかり売上・利益を上げたい民間企業のリーダーはそれではＮＧです。営利目的を追求するための温浴施設の経営と運営には多くの課題があり、そのトップには極めて高度な経営判断や運営スキルが必要であると考えています。

もしひとりで経営判断も現場リーダーもこなしているとしたら、その人は宇宙人かスーパーマンだろうと思っています。野球で言えば監督もできる大谷翔平でしょうか。

そのような人物にはこれまでの長いコンサルタント人生で数えるほどしか会ったことがありません。

それなりの年齢で一定の社会人経験があれば、運営組織のマネージャーは務まるかも知れません。しかし、マーケティングからマネジメント、ハードからソフト、フロントオフィスからバックオフィス、各部門の企画からオペレーションまでといったすべての実務をカバーするとしたらとんでもない仕事量で膨大なスキルが必要です。ましてや業績不振からの立て直しといった経営者的な資質までをひとりに求めるのは無茶というものです。

これから支配人候補者を探すとしたら…

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