閉店直前に売上3倍となった理由

閉店直前の店舗に眠る潜在能力をテーマに、来店を保留する顧客と来店動機の提示を3段で図解したインフォグラフィックです。

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少し前のことですが、ご支援中だったあるサウナ施設が残念ながら廃業することとなって、閉店するその最後の日まで現場運営に立ち会うことになりました。

通常、私どもアクトパスが温浴施設のお手伝いをする時は、

  1. これから新規開業やリニューアルをする施設
  2. 苦境に陥った施設の経営再建
  3. 苦境ではないが、もっと上を目指してレベルアップしたい

のいずれかであり、店を閉じる現場に対してコンサルティング業務を行うことはまずありません。

今回の施設も(2)のケースで、営業収支が赤字の状態から3ヶ月で黒字化を達成し、さらなる経営改善に取り組んでいる途上でした。しかし諸般の事情からオーナーがやむなく廃業を選択されることになり、ほぼ店長業務を代行するほど深く現場に入り込んでいた弊社が、そのまま最後の閉店までサポートすることになったのです。

経営コンサルタントという職業柄、温浴事業の存続や成長発展をめざす現場にはこれまで数多く携わり、目的実現のための知恵も多く持っている自負はあります。しかし、閉店や事業清算という場面にここまで深く携わったことはなく、初めて直面する現実は驚きの連続でした。

「起きたことはすべて必然・必要・ベスト」という言葉がありますが、胸が痛むようなこの経験の中にも、温浴ビジネスの本質に関わる重大な学びが多々ありました。

閉店発表後、最終月の売上は3倍ペースに

詳細は次回11月13日のアクトパス跳会議でお話ししたいと思いますが、私が特に衝撃を受けたのは、閉店を発表してからのラスト1ヶ月の業績です。

それまで運営改善と販売促進で地道に工夫を重ねながら少しずつ業績を伸ばしてきたのですが、いざ閉店を発表した途端、「なくなってしまう前になんとしても体験しておきたい」というお客様が怒涛のように押し寄せて連日大盛況となったのです。

過去の集客や売上のレコードを次々と塗り替え、気づけば最終月の売上はそれまでの3倍ペースにまで跳ね上がっていました。最終営業日は閉店時間を過ぎても入店待ちの列が途絶えず、営業時間を延長して最後のお一人までお迎えしたほどです。

過去のメルマガ第2137号「潜在能力を引き出す」(2023年5月23日〜シリーズ配信)で、

ほとんどの温浴施設には、売上を何倍にも高める潜在能力があると考えています

と書きました。これは創業以来変わらない弊社の持論ですが、閉店前に押し寄せる大勢のお客様を目の当たりにして、その施設が持っていたポテンシャルを肌で実感することになりました。

よく考えてみれば、ラスト1ヶ月で何か特別な設備投資をしたわけでも、料金体系やサービスをガラリと変えたわけでもありません。すでにある施設、すでにあるスタッフの力だけで、普段の3倍のお客様をお迎えし、満足して帰っていただくキャパシティと魅力が、最初からそこに眠っていたのです。

集客ポテンシャルは「いつかイキタイ」のストック

お客様と温浴施設とのお付き合いを段階に分けて考えてみますと、

  1. 「知らない」
  2. 「知っている」
  3. 「いつかイキタイ」
  4. 「行った」
  5. 「リピートしている」

という5つのステップに整理できます。

この中で、施設の本当の集客ポテンシャルを示しているのは、3つ目の「いつかイキタイ」と思っている潜在客がどれだけストックされているか、ではないでしょうか。

「知らない」「知っているが興味がない」という状態から来店へつなげるには、相応のコストや時間がかかります。しかし「いつかイキタイ」と思ってくださっているお客様は、すでに施設の価値を認めており、文字通り来店まで「あと一歩」のところまで来ています。

なぜ「あと一歩」が踏み出されないのか

では、なぜ普段はその「あと一歩」が踏み出されないのか。

それは、「いつでも行ける」という安心感が、皮肉にも「今日行かなくてもいい理由」になってしまうからです。

閉店の告知は、「今行かなければ二度と入れない」という強力な動機となり、眠っていた膨大な「いつかイキタイ」客を一気に現場へ動かしたのでした。

本来、どの施設にもまだ見ぬ大きな潜在能力が眠っています。「今、行くべき理由」をこちらから提案し続けることこそが、その潜在エネルギーを呼び覚ます鍵になります。

「いつか行こう」を「今日行こう!」に変える仕掛けを、私たちは日頃からどれだけ打てているでしょうか。

閉店という極限状態になって初めて顕在化するのでは、あまりにもったいなさすぎます。

サウナを売りにしている施設であれば、まずは「サウナイキタイ」で自店の「イキタイ数」を確認してみてください。

ちなみに、閉店したそのサウナ施設の「イキタイ数」は約4,500件でした。

あなたの施設には、今この瞬間も背中を押されるのを待っている「いつかイキタイ」が、どれだけ眠っているでしょうか。

(望月 義尚)


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アクトパス跳会議|11月13日(金)開催

閉店直前月は、売上3倍。

営業を終えたからこそ見えた、施設のポテンシャル。
これからの温浴施設経営に活かせる学びを共有します。

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