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今日は 2022年9月1日です。
注目の業界ニュース
【会議も盛り上がる!?本格的なサウナを備えたオフィスが増えているワケ】
https://news.yahoo.co.jp/articles/f344fa532746c1202f529c7c95db6430b473f48b
最近のオフィスサウナの事例です。
コワーキングスペースだけでなく、サウナ室自体が会議の場・社員同士の交流の場として活用され始めているようです。
赤いボタン
サウナを中心に、業界外から新規プレイヤーが参入し、従来の常識にとらわれない斬新なプラン、日本一や日本初を競い合ういまの風潮は停滞していた温浴マーケットを活性化する起爆剤となっています。
と同時に、これまで積み重ねてきたセオリーから外れたことに挑戦するわけですから、想定外の事態が起きるリスクも増大していると考えます。
失敗は成功のもと、と言えるくらいのことであればいいのですが、人命に関わるような事故であったり、法令違反があってはなりません。そのような問題が起きると、業界活性化どころか急ブレーキになりかねないということは、過去の歴史から学ばなければなりません。
このメルマガでも、サウナブームをさらに盛り上げようと応援しつつ、事故やコンプライアンスについては度々警鐘を鳴らしてきましたが、なんとかここまでは致命的な事故が起きることなく来ることができました。
ネットを見ていると、ユーザー側も安全衛生を注視する意識が高まっており、危なっかしい施設や不衛生な施設が厳しく糾弾されていることがあります。
サウナマーケットは依然として活発な動きを見せていますが、急拡大を続けてきたサウナブームも黎明期から安定・成熟期へと移行しつつあるのだろうと思いますし、このまま安定成長を続けて欲しいと願っています。
その意味で、ぜひ気にして欲しいことがあります。
それは、サウナ室内の非常用ブザーです。
床に倒れた状態でも本人が押せるよう、たいていサウナ室内の低い位置に目立つ赤いボタンがつけられているのですが、ニューオープンのサウナには時折それがついていないケースがあるのです。
他の利用者の出入りがない環境で、サウナ室内で具合が悪くなって助けを呼びたい時、もし非常用ブザーがどこにもなかったり、それを押しても動作しなかったらどうなってしまうのか?と考えるとゾッとします。
施設規模の大小や業態、行政から指摘されるかどうかに関わらず、何かあった時には従業員がすぐ駆け付けられるよう、非常用ブザーはかならず設置するべきです。
施工が面倒だから、工事費を抑えたいから、といった理由は論外ですが、非常用ブザーというもの自体を知らなかったということがないように、ここで警鐘を鳴らしたいと思います。
サウナユーザーの皆様にもぜひ知っておいていただき、もし設置していない施設を見つけたら、利用者の要望として施設に伝えて欲しいと思います。
各都道府県の公衆浴場設置等の基準等に関する条例には、
──サウナ室(蒸気又は熱気を使用する入浴のための浴室をいう。以下同じ。)を設ける場合にあつては、次の要件を備えたものとすること。
・非常用ブザー等が入浴者の見やすい位置に設けられていること。──
といった記載が必ずあります。
日本サウナ・スパ協会の「サウナ及びスパ営業施設における衛生確保に関する自主管理基準」にも、
──サウナ室の室内を容易に見通すことができる窓を適当な位置に設けること。また、入浴者の安全のため、室内には非常用ブザー等を入浴者の見やすい場所に設けること。──
とあります。
行政指導があったかどうかや罰則があるかどうかではなく、お客様に安心安全な環境を提供し、自社の事業の持続性を高め、マーケットが安定成長し続けて行くために、非常用ブザーは必ず設置し、日常的に動作確認を行ってください。
(望月 義尚)
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