温浴業界の歴史年表

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今日は 2022年3月29日です。

第二集団に注目

 サウナブームが誰の目にも明らかな動きとなってきてから、まだ2年くらいでしょうか。ちょうどコロナ禍で溜まったマーケットの鬱憤がそこに噴出したかのごとく、いまもサウナ界隈は活発な動きが続いています。

社会活動全般が低迷する中で、温浴マーケットもご多聞に漏れず7割経済となり、業態や立地条件によって温度差はありますが、多くの施設が苦戦しています。しかしサウナブームの追い風をうまくキャッチすることができた温浴施設だけは、客層の入れ替わりはありつつもそれなりに手応えを感じているようです。

そこに新しく登場したのが新業態サウナ。モバイルサウナ、個室サウナ、アウトドアサウナ、サウナイベント…いま現在も様々な業態が模索されており、まだこれからもビックリするような新業態が出て来るのかも知れません。

一方で、先駆者の後を追う形で最近開業した施設は、これまでのようにオープンしただけで全国から注目を一身に集めることが難しくなってきました。あまりにも新規開業のニュースが相次いだため熱心なサウナファンと言えども補足しきれなくなってきているということもありますし、ユーザーとしては新業態サウナをいくつか体験して、どういうものかだいたい理解したので、今後は慌てて飛びつくのではなくじっくり自分に合うサウナを見定めよう…というスタンスに変わってきているのだろうと思います。

マラソンで言えば、スタートから何キロか過ぎて、先頭集団が形成されてきたような状態でしょうか。

ふと、だいぶ昔に自分で作った温浴業界の歴史年表が頭に浮かびました。

古くから続いている銭湯や温泉街ではなく、まったく新しいカタチの温浴施設として、新業態が登場したのは1950年代です。1951年に東京温泉、1952年に大阪のスチームバスセンター(のちのニュージャパンサウナなんば店)、1955年に船橋ヘルスセンター。そこから70年くらいが経ちました。

ここに挙げている3施設は、2019年に閉店したニュージャパンサウナなんば店を最後に、いずれも現在は存在しません。

続いて1960年代に現れたのは、有馬ヘルスセンター、長島温泉レジャーセンター、常磐ハワイアンセンター、箱根天山湯治郷。それぞれブランドチェンジやリニューアルを繰り返しながら、いまも老舗温浴施設として健在なのです。

この年表の原型を作ったのは、いまから20年くらい前のことで、その後2010年代、2020年代と書き加えながら更新しているのですが、1950年代と1960年代でこのような明確な違いがあることに初めて気づきました。

先駆者たちが作ったモデルを…

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