選択の心理(2)

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今日は 2022年1月12日です。

◆選択の心理(2)

アイテムパワー

 前職の船井総研で覚えた様々なマーケティングルールには、業種に関わらず応用できるものが多々あり、温浴ビジネスにおいても様々な局面で駆使しています。

以前のメルマガ第729号「選択の心理」(2018年7月19日執筆)で、「アイテムパワー」という概念をご紹介しました。

──居酒屋でメニューを見た時に、焼き鳥に1つか2つしかアイテムがない場合は、「この店では焼き鳥はいろんなメニューのバリエーションのひとつとしてとりあえず扱っているだけなんだろう」と感じます。

それがどんなに高品質で美味しい焼き鳥だったとしても、これはぜひ注文してみなければ、という気持ちにはなりにくいものです。

これが、ねぎま、ささみ、皮、レバー、ハツ、ボンジリ、つくね…となってくると、この店は焼き鳥に力を入れていそうだから、美味しいに違いない。とりあえず盛り合わせでも食べてみようかな…となります。

これを“アイテムパワー”と言って、消費者心理の中でも重要な要素です。──

一般的に焼き鳥については、1つや2つのメニューならとりあえず置いているだけでおそらく冷凍品、3つあってようやくカテゴリー、7つあれば専門性あり、30メニューあれば本格的な焼き鳥専門店で地鶏の炭火焼か…。消費者はこんなイメージを持っていると思います。

「3、7、30、70、300、700…」という数字が分岐点となって違いが生じるということは、取扱いアイテム数の多い小売店で検証されているのですが、どうしてそうなるのか、考えてみると不思議なことです。

一週間は7日、一ヶ月は30日。人間が何かをひと括りにしようとする時は、そういう単位になるようです。教育が普及していない国では、モノを数える時に「1、2、3、たくさん…」となる、なんていう話も聞いたことがありますが、把握能力が関係している可能性は高いと思います。

居酒屋に3人か4人で飲みに行くと、通常話題はひとつでまとまりますが、7人が集まると話題は2つか3つに分かれてバラバラに会話が進むようになります。

組織でも、ひとりのリーダーがまとめられる部下の数は最大30人くらいまでで、70人にもなるとまとめきれずセクショナリズムが起こりやすくなります。目が届かない部下が勝手に派閥を作り始めたりするのです。

この場合は組織を3つくらいのグループに分けてサブリーダーが管理し、リーダーは3人のサブリーダーを管理するように組織変更するべき時期ということかも知れません。

このような話をすると、温浴業界ではすぐ「それなら浴槽やサウナを7種以上に…」といった発想に向かいがちですが、それは投資負担が大きくなってしまうのでおススメできません。

アイテムパワーの概念を温浴マーケティングに応用するとしたら…

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