2024年初日の出を待つ人たち

温浴業界の最新ヒントとニュースを提供する専門メールマガジン | 株式会社アクトパス

温浴ビジネス年頭所感2024

 新年あけましておめでとうございます。

 元旦の夜明けは気温高めで雲少なく、海岸で初日の出や初富士の写真を撮りながら、穏やかな新年を迎えられたと思っておりました。

ところが夕方に大きな地震が起きました。震源地の能登半島を中心に深刻な状態で、被害の大きい石川県珠洲市や輪島市はかつて仕事でお世話になった方々がたくさんいらっしゃる場所なので、個人的にも心配です。被災された地域の方々には心よりお見舞い申し上げます。

新しい年を迎えるにあたり、思うところをまとめておきたいと思います。

< 目 次 >
(1)災害とサウナ
(2)平常時と非常時
(3)どうなるサウナマーケット
(4)もっとローコスト化できる!
(5)運営面はやること山盛り

(1)災害とサウナ

以前から、温浴施設には災害時に地域の防災拠点としての役割があるということをお伝えしてきましたが、今回の能登地震では、いち早くそうした動きをされる施設が多く見受けられました。

建物設備のダメージが少なかった施設が安全確認後すぐに営業を開始したり、入浴はできなくても避難所として被災者を受け入れたり、その動きをSNSで拡散したり、施設側も被害を受けているにもかかわらず、素早い動きに感銘を受けました。

温浴施設とは、娯楽や贅沢だけでなく、人が健やかに生きるための大切な生活習慣を提供する場所であり、それは食事や睡眠と同じくらい重要なことです。

あらためて、災害時の温浴施設の役割を列挙しておきます。

  • 被災者等への入浴機会の提供(地域防災拠点へ避難した方、自宅での入浴が困難な方、災害ボランティアの方などに対し、一定期間入浴の無料受け入れ)
  • 入浴機会の提供時の消耗品(アメニティやタオル等)の提供
  • 雑用水の提供
  • 飲料水の提供
  • 一時避難所としてのスペースの提供
  • 炊き出し
  • 寝具や着替えの提供
  • 携帯電話等の充電
  • 防災グッズとして中古タオルの提供

上記のように、普段から水やお湯を処理し、蓄えている温浴施設にはできることがたくさんあります。どこまで意識しているかはともかく、ライフラインが寸断されても、自家源泉や井戸、貯水タンク、濾過器、自家発電設備などがあって、オフグリッドな強さを持った施設なのです。

また、今回特徴的なのは、テントサウナ支援の動きが広がっていることです。

https://twitter.com/oldrookiesauna/status/1742203773458714942
https://twitter.com/uk_madsaunist/status/1741774558724751625

2011年3月11日の東日本大震災の時も、東北地方はまだ雪が降る季節でした。被災地では低体温症で亡くなる人や、避難生活で風呂に入れない人が多いというニュースに、温浴に携わる者として居ても立ってもいられず、被災地への入浴支援を行いました。

震災直後の3月中にできたのはドラム缶風呂。
https://spa-net.cocolog-nifty.com/aqutpas_blog/2011/04/post-ec1c.html

テントサウナをやったのは震災から半年経過した9月でした。
https://spa-net.cocolog-nifty.com/aqutpas_blog/2012/09/5-eaee.html

当時は今のように市販のテントサウナを簡単に入手することはできなかったので、自作するしかなかったのですが、災害直後はドラム缶風呂で、テントサウナが半年後になったのは、資材の入手や運用ノウハウだけが理由ではありません。

2011年の時点では私自身も「サウナ」は趣味的・娯楽的な要素が強く、命の瀬戸際で言い出せるようなことではないと思っていたのです。

それが2024年の今は災害直後からサウナ事業に携わる複数の方々が、テントサウナ支援を申し出るような時代となりました。

被災地とのマッチングがスムースに進むかどうかは分かりませんが、サウナに対する国民の意識が大きく変わったことを実感します。

ヨーロッパではサウナは日本のお風呂と同じ様な位置づけです。極寒の中で身体をあたためるサウナは、趣味・娯楽だけでなく、命を支えるライフラインのひとつであり、日本でもその認識が広まりつつある。大袈裟な話ではなく、もうサウナが一過性のブームかどうかを議論するようなステージではないということでしょう。(つづく)
(望月 義尚)

注目の業界ニュース

【2024年の旅行予測 JTB推計】
https://www.travelvoice.jp/20231220-154831
JTBが2024年の旅行動向見通しを発表。国内旅行はリベンジ消費の落ち着きや高止まりする旅行費用の影響で旅行者数が伸び悩む一方、海外旅行は2025年以降にコロナ前の水準への回復が見込まれています。
また、訪日外国人客数は2023年の急回復から2024年も一層の増加が見込まれるとし 、過去最高の3310万人に達すると予想。本格的なインバウンド対策が求められてきそうです。

温浴業界の最新ヒントとニュースを提供する専門メールマガジン | 株式会社アクトパス

★第8期サウナ開業塾開講決定!

第8期サウナ開業塾が1月25日に開講決定!前期に続き、動画配信型の講座で、全国どこからでもお好きなタイミングで学習が可能です。全6回の講座では、事業計画の作成から資金調達、法令遵守、運営管理に至るまで、出し惜しみなくお伝えいたします!!
https://aqutpas.co.jp/sauna-kaigyo-juku/

★「温浴百科2020」販売開始!

本メールマガジン「日刊アクトパスNEWS」の2019年1月から2019年12月末までに配信された記事を抜粋し、加筆修正した上でテーマごとに読みやすく再編集!

https://t-mp.net/aqutpas/subscribe/onyoku-hyakka2020

★「温浴施設データファイル2024」販売開始!

アクトパス代表・望月が第1章を執筆。全国の温浴施設を対象に行った独自調査を基に、124施設の経営実態を一挙掲載し、Excelデータを収録。最新の定量指標と定性情報を網羅!
https://aqutpas.co.jp/datafile2024/

★「温浴施設のための成功モデル100事例セミナー 2023」配信開始!

1999年からアクトパス代表の望月が企画し、延べ1,200人以上の方々に受講されてきた人気セミナーの動画(2023年9月収録)を配信開始。
温浴施設が低予算で実行可能な成功ノウハウを厳選して全国から「100事例」紹介。その情報量と鮮度は圧倒的!
https://aqutpas.co.jp/100jirei2023/

温浴・サウナ施設の新規事業についてのご相談 | 株式会社アクトパス