サウナ室ドア下の隙間

「アクトパスクラブ」会員の皆様、

今日は 2023年6月22日です。

ヨーロッパサウナ紀行(4) 設計思想

 人類が課題や必要性に直面した時、最初に何らかの解決方法を見出す人がいて、後に続く者はそれを改良していく。文明はそうやって進化発展を続けてきているのだと思います。

食事の時、器に口を近づけたり、手を汚すことなく食べ物を口に運ぶにはどうしたら良いのか。肉食が多かった西洋人はナイフとフォークというソリューションに行きつき、魚介類や穀物を食べることが多かった日本人は箸に行きついたということなのでしょう。

必要性を感じさせるシチュエーションとそれに直面して課題解決を図ろうとする人の資質によって、アプローチは千差万別。結果として、同じような用途のモノであっても、設計思想や形はそれぞれ異なってくるのです。

これだけ情報化が進みグローバルな時代となっても、東西文明やお国柄の違いは随所に色濃く残っており、それを感じとれるのも旅の面白さです。

今回のツアーで最初に遭遇した違いは、ヘルシンキ空港で入ったトイレでした。公衆トイレの男性用小便器が小さくて、取り付け位置が高い。日常的に使うものですから、普段と違うことにとても違和感がありますが、結果的にすごく近いところに小便器があり、狙いを外すことはまずなさそうです。これは小便器周りを汚さないという点では日本に普及しているタイプの小便器よりも優れていると感じました。

温浴は、言うまでもなく「身体を温める」というところが出発点です。身体を温めたいという課題に対して、その熱源は何を使うのか、熱をどうやって伝えるのか、どのように温度をコントロールするのか、いかに安全性を保つのか、経済性はどうなのか…様々な選択肢があります。

それぞれの時代や地域で様々な方法が編み出され、進化発展を続けて今日に至ります。

フィンランドが源流のサウナもグローバルな習慣となり、今や世界各地に広まっていますが、本場のサウナに触れて、日本にいる自分が理解していたサウナとはまったく異なるものだったということが分かりました。

最大の違いは熱の伝え方だと思います。

日本のサウナは…

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