百匹目の猿

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今日は 2022年1月28日です。

百匹目の猿

 いまから20年くらい前のことですが、恩師 舩井幸雄が「百匹目の猿」という本を出版しました。

百匹目の猿という言葉は、生物学者のライアル・ワトソンが唱えたものです。

──宮崎県串間市の幸島に棲息するニホンザルの一頭がイモを洗って食べる事を覚え、同行動を取る猿の数が閾値(ワトソンは仮に100匹としている)を超えたときその行動が群れ全体に広がり、さらに場所を隔てた大分県高崎山の猿の群れでも突然この行動が見られるようになった──という話で、幸島の猿のように「ある行動や考えなどが、ある一定数を超えると、これが接触のない同類の仲間にも伝播する」という超常現象の実例とされていました。

しかしこの話はライアル・ワトソンの創作で、実際に幸島の猿にそのような集団行動は定着していないし、他の地域に海水によるイモ洗い行動がこだまのように伝搬していったという事実も確認できない、ということで、後になって非科学的なインチキ理論と叩かれることになってしまうのですが。

猿の話はともかくとして、舩井幸雄が伝えたかった「ある行動や考えなどが、ある一定数(臨界点)を超えたところで一気に拡がる」という現象は実際に体験することがあります。

2013年に「ロウリュブームの臨界点」というブログ記事を書いたのですが、
https://spa-net.cocolog-nifty.com/aqutpas_blog/2013/05/post-15c0.html
その時点ではまだロウリュブームが爆発的に広がっているという実感は得られていませんでした。

ニュージャパンサウナと、神戸サウナと、ウェルビーという3施設だけがロウリュをやっている時代が長く続いていて、私も2000年くらいからしつこくロウリュ導入のメリットを全国に説いて回り、じわじわ増やして30施設、50施設と増えていき、それでも2013年時点でロウリュ実施店舗数はまだ100施設未満だったと思います。

急激に増えはじめて捕捉しきれなくなってきたと思ったのは100施設を超えた頃からです。そこから現在に至るまではあっという間でした。

いまサウナイキタイでキーワード検索すると、「ロウリュ」でヒットする施設は449件、「オートロウリュ」で495件、「セルフロウリュ」では737件です。

セルフロウリュなどは、2017年にこのメルマガ第502号「セルフロウリュ時代来たる」で紹介した時点では全国にわずか10施設だったのですから、本当にびっくりです。

全国に波及するための臨界点がいくつなのかは分かりませんが、一定数を超えると爆発的に伝搬するのは実感としてうなづけるところです。

先日のサウナ開業塾説明会には、100名を超えるお申し込みをいただきましたが、いまサウナの開業を考えている人がそれだけの数いらっしゃるということは…

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