こんにちは、アクトパスNEWS編集局です。
日刊アクトパスNEWSでは、温浴業界で働く方々へのインタビュー企画をお届けしています。第一弾では、温浴施設向けの業務用品を幅広く扱うニシカワヤ株式会社の営業部長・岡崎龍一郎さんにお話を伺ってきました。
第3回では、果物風呂の果物を守る「OKフロート」や、熱に強い大型うちわ「バタバタ」、施設の内装になじむロッカーキーなど、現場の「困った」から生まれた商品をご紹介しました。
最終回では、施設の備品やアメニティに求められる価値がどのように変わってきたのか、そして、これからの商品づくりについて伺います。
【アクトパス原田】
ニシカワヤさんのオリジナル商品の中で、現在最も売れているのは何でしょうか。
【ニシカワヤ岡崎さん】
浴室内で使うシャンプーやボディソープのシリーズ「ラ・アンジュラグ」です。

以前の業務用シャンプーやボディソープは、価格で選ばれる商品が中心でした。しかし、お客様から「もっと使い心地がよく、施設を利用する方に喜んでもらえる商品を置きたい」という声が増えてきました。
そこで、上司と二人でメーカーに相談し、試行錯誤を重ねてつくったのが始まりです。
【アクトパス原田】
最初から、売れる手応えはありましたか。
【ニシカワヤ岡崎さん】
いいえ、最初は怖かったですね。それまでの商品は20~30ケースほどで生産できましたが、ラ・アンジュラグは、コストを抑えるために最初から250ケースつくる必要がありました。
販売を始めても、最初に採用していただけたのは2、3施設ほどです。在庫が減るまでに時間がかかりましたが、1年ほど続けるうちに、少しずつ採用施設が増えていきました。
入浴料金やサービス水準が上がり、備え付けのシャンプーも「置いてあればよい」から、「お客様に喜ばれるもの」へと変わっていった。そうした業界の変化にも合ったのだと思います。
【アクトパス原田】
シャンプーに限らず、最近の温浴施設から寄せられる要望に、変化はありますか。
【ニシカワヤ岡崎さん】
以前よりも、施設ごとのこだわりが強くなっていると感じます。「ほかにはないものをつくりたい」という相談も増えています。
たとえば、サウナマットの色です。最近では、赤いサウナマットもつくりました。一定のロットは必要ですが、施設のイメージに合わせた別注色で製作できます。
また、コスモトロンという、ふかふかしたサウナマットを二枚重ねて敷いている施設もあります。実際に座ってみると、これが非常に気持ちいいんです。
【アクトパス原田】
サウナマットの色や敷き方でも、施設の個性を出せるのですね。
【ニシカワヤ岡崎さん】
サウナマットは、サウナ室に入った瞬間に目に入ります。面積も大きいので、色や敷き方が変わるだけで、室内の印象はかなり変わります。
最近では、水風呂を一桁台の温度にしたり、温度の異なる水風呂を複数設けたりと、サウナにこだわる施設が増えています。サウナマットも、その施設がサウナにどれだけ力を入れているかを伝える要素の一つになると思います。
【アクトパス原田】
シャンプーやボディソープについても、新しい動きはありますか。
【ニシカワヤ岡崎さん】
一般向けの商品では、泡で出るシャンプーやボディソープが少しずつ出てきています。最初から泡になっていれば、利用する方にとっては使いやすいですよね。
ただ、温浴施設向けの業務用商品では、まだ液体タイプが中心です。いくつかの施設で導入を試しましたが、現状ではコストが高くなりやすく、施設からは採用が難しいという声もありました。
どれだけ便利な商品でも、施設が無理なく使い続けられなければ広がりません。そこを解決できれば、可能性のある商品だと思います。
【アクトパス原田】
岡崎さんが、仕事の中で最も面白いと感じるのは、どんなときですか。
【ニシカワヤ岡崎さん】
新しい施設をつくるときや、改装するときに、お客様と一緒に商品を考えている時間です。
最近は、施設へのこだわりが強い方から、「こんなものをつくれないか」と、さまざまな相談をいただきます。すべてを形にできるわけではありませんが、中には非常に面白いアイデアがあります。
お客様の要望に応え、困りごとを解決した商品が実際に使われ、多くの方に喜ばれる。それが、この仕事の一番の楽しさです。
* * *
1946年、商品をリヤカーに載せて得意先を回るところから始まったニシカワヤ。1970年に初めてサウナ施設と取引し、1975年には、現場の困りごとから、日本初とされるサウナマットを生み出しました。
岡崎さん自身も、「化粧品なら軽そう」という思いから入社し、重い商品を運ぶ配達、施設のオープン支援、営業を通じて、現場との関係を築いてきました。
全4回を通して繰り返し現れたのは、「お客様が何に困っているのか」という出発点です。
二枚のタオルを縫い合わせたサウナマットも、果物を守る木桶も、熱に耐える大型うちわも、内装になじむロッカーキーも、その問いから生まれました。そして現在は、「置いてあればよい」ではなく、施設の個性を表し、利用者に喜ばれる商品が求められています。
施設のこだわりが強くなれば、必要とされる商品もさらに多様になります。その変化をいち早く感じ取れるのは、お客様のもとへ何度も足を運び、同じ現場で一緒に答えを考えてきたからでしょう。そこに、ニシカワヤならではの強みがあるのだと思います。
岡崎さん、貴重なお話をありがとうございました。
全4回にわたり、お読みいただき、ありがとうございました。(ハラダ)
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