コストと価格

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今日は 2022年2月11日です。

コストと価格

 九州サ旅に行っている妻が、ウェルビーさんの寝具がとても良かったと激ホメしていました。

最近の宿泊業界では、お客様に特に近い部分、触れる部分のグレードを高めるという考え方が浸透しています。

以前メルマガでご紹介したコンテナホテルR9は、シモンズのベッドでした。テンピュールの枕を提供するカプセルホテルもあります。

何から何まで高級にしていくと価格がどんどん上がってしまいますので、このようなメリハリをつけた考え方が合理的です。これを「表のハイコスト、裏のローコスト」と言います。

しかし、温浴業界ではこの考え方がまだ充分に浸透していないように感じています。

分かりやすいところで言えばシャンプーなどのアメニティ。お客様が触れるという意味では最も分かりやすい部分なのですが、このグレードがまだ低いままの施設が少なくないと思います。

業務用シャンプーの格安グレードは、20Lのバッグインボックスに入って4,000円を切るくらいの価格です。リッターあたり200円弱。

グレードの高い宿泊施設によく置かれているPOLAのアロマエッセシリーズだと、業務用10Lで8,800円くらいで売られていますからリッターあたり880円。

約4.5倍の価格差があります。

しかし、お客様が1回に使うシャンプーの量はポンプ2押しで6mlくらいですから、1客あたりコストにして1.2円から5,3円。たった4円しか差がつかないのです。

リンスやボディソープも含めると、格安グレードと高級グレードの価格差は10円〜15円といったところでしょう。

年間客数が10万人なら100万円から150万円の利益差になってくると考えると、決して小さくない金額ではありますが、そのコストを浮かせるために顧客満足度を犠牲にしているとしたら考えものです。

もし、入浴料750円のスーパー銭湯が格安アメニティを提供するのと、765円で上質アメニティを提供するのでは、お客様が喜ぶのはどちらでしょうか?

もちろんシャンプーの質にこだわりがなく、1円でも安い方が良いと考える消費者もいますので、上質アメニティにすることだけが正解とは限りません。

しかし、自宅風呂以上の満足度を提供してこそ温浴施設の存在意義があるということを考えると、自宅よりも気分よく入浴してもらうことが大切であり、お客様が触れる部分をローコストにしてはいけないと私は思います。

アメニティにかかるコストアップ分は…

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