廃墟化した浴室のタイル壁と黒カビが広がる使われていない浴槽の一角

先日、地方への出張の際に、ある温浴施設に立ち寄りました。

日帰り入浴も受け入れている宿泊施設で、事前の情報では「自慢の薬湯」が売りとのこと。

実際に館内に入ると、至る所に薬湯のアピール掲示があります。

使用している漢方の種類や効能、さらにはその歴史までが、立派な看板に記されていました。

これだけ自信を持って掲示しているのだから、さぞ素晴らしいお湯なのだろう。

期待を胸に浴室に足を踏み入れましたが、目の前に広がっていたのは予想外の光景でした。

主役であるはずの薬湯の浴槽には、一滴のお湯も張られていません。

よく見ると、浴槽の縁に一枚の古びた張り紙がありました。

「燃料費高騰のため、令和5年の9月より打たせ湯と薬湯は中止しました」

令和5年の9月といえば、もう2年以上前のことです。

昨今の燃料費高騰は、施設運営にとって避けて通れない深刻な課題です。
経営判断として、コストのかかる浴槽を停止すること自体は、決して否定されるべきものではありません。

しかし、私が絶句したのは、止めたことそのものではなく、その止まった場所の荒れ方です。

空っぽになった薬湯の浴槽の底には…


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