
以前、浴場市場の米澤社長と「企業経営は属人的であるべきか、仕組みで回すべきか」について議論したことがあります。
私は元々船井総研という、かつては属人化の権化のようだった会社で育ちましたので、松下幸之助さんが言うように「企業は人なり」という考え方に近いと思います。一方、米澤社長は大企業勤めから個人事業まで幅広く経験した結果、仕組み重視に傾いていました。「個人のチカラに頼り過ぎて、その人がいなくなっちゃったらどうするの」ということです。
両者の主張は平行線で、なかなかひとつの結論には至らなかったのですが、この議論は私の中で今でも続いています。
仕組みづくりの大きなメリットは、効率性と再現性の向上です。
業務プロセスを標準化することで、誰が担当しても一定の品質を保てます。マニュアルやシステムの導入により、新入社員でも迅速に業務を習得でき、生産性が向上します。業務の再現性が高まり、バラつきが減少します。
また、仕組みが整っていると、新店舗や部署の展開が容易です。標準化されたプロセスは異なる地域やチームでも適用可能で、組織の拡大を支えます。
さらに、個人の判断に依存せず、ルールやシステムで統一された基準を維持できます。コンプライアンス違反や品質管理のリスクが軽減され、安定した運営が可能です。
一方、属人化のメリットは…
注目の業界ニュース
【厚労省がスキマバイトに初の包括対応、企業に法的リスクも】
https://diamond.jp/articles/-/368061
厚労省が、急成長する「スキマバイト(スポットワーク)」市場に対し、初の包括的な労務管理ルールの整備に着手しました。スマホアプリを介したマッチング型サービスに対して、事業者・利用企業双方に労災補償や休業手当の対応を求めるもので、対応を誤れば訴訟リスクも懸念されます。業界最大手のタイミーも、7月4日に運営方針の見直しを表明しました。
スキマバイトを利用している施設では、労務管理体制の見直しと法令遵守が急務となる可能性があります。