銭湯のれん

「アクトパスクラブ」会員の皆様、

今日は 2023年3月25日です。

ルールはルール

 遅ればせながら、話題の映画「湯道」をようやく観てきました。

泣かせるシーンが何度かあり、不覚にも何回か涙がこぼれてしまったのですが、自分の経験と重ねていろいろ感じるところがある、良い映画でした。
https://yudo-movie.jp/

開業時間になると玄関にのれんを出し、「ぬ」の札を「わ」にかけ替える。するとお客様が待っていましたとのれんをくぐり入っていく。そんなシーンが何度か出てくるのですが、かつて事業再生で運営に携わっていた現場の開店時間のことを思い出しました。

その施設の営業時間は10時〜24時でしたが、いつも朝10時の開店前から何人かの年配の常連さんが玄関前で開店を待つのです。

開店前に出勤しているスタッフをロビーに集めて朝礼をしながら、どんだけ一番風呂が好きな人たちなんだろう、といつも不思議に思っていましたが、ある冬の風の強い日に外で寒そうに待っている人たちを見て、せめて建物の中に入れてあげようと思いました。

私が玄関の鍵を開けようとしたところ、前支配人がその様子を見て「まだ時間じゃないので開けてはダメです」と言ってきました。

何故ダメなのか?と尋ねたところ、「ルールはルールですから」との回答。

そういう硬直化した考え方だから、万年赤字の施設になったんじゃないか!なんでもっとお客様の立場になってあげないんだ!という考えが頭をよぎり、カッとなって少し言い争いました。

しかし、よくよく話してみると前支配人の言う事にも一理あるのです。

──ルールを崩せば、お客様はそれを当然のことと思うようになり、次回また同様の対応を要求するようになる。しかし、いつも自分がその場にいてジャッジできるわけではないので、他のスタッフ達が同様に適切な判断ができるのか。結果的にすべてがなし崩しになり、マナー違反や我儘が横行する施設になっていく危険がある。だからルールはルールとして厳格に守らせなければならない。──

言われてみると、確かにそうかも知れません。事実、私自身が現場から離れられなくなっていて、泊まり込みが続くような生活だったので、余計に身につまされました。

しかし、前支配人の考えは、「お客様は我儘で勝手」「スタッフは自分たちで適切な判断ができない」という前提に立っています。

結果的に館内に禁止表示の紙がたくさん貼られるようになり、スタッフはモチベーションを失い、施設全体が負のスパイラルに陥ってしまったのだとしたら、やはりそこから変えていかなければならない、と思い直し…

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