
「お皿にまだ少し料理が残っている。席を立ったお客さまは戻ってくるのか、それとも片付けてしまっていいのか…」
温浴施設、特に健康ランドのような大型施設に併設されたレストランで、このような迷いを抱えたことのあるスタッフは少なくないはずです。
背景には、大きく二つの要因があります。
ひとつは、多くのお客さまがロッカーに荷物を預け、手ぶらでレストランを利用されるため、テーブルに私物が残らず「使用中かどうか」が見ただけでは判断しづらいこと。
もうひとつは、飲食代を入館料などとまとめて退館時に精算する仕組みが一般的なため、スタッフ側から「一時的に離席しているだけなのか」「すでに食事を終えているのか」が見分けにくいという点です。
その結果、片付けのタイミングをつかめずに行列が伸びてしまったり、逆に早く片付けてしまって「まだ食事中だったのに」といった不満につながることもあります。
実際、料理が少し残ったまま客席が空いており、「片付けていいのかわからない」と判断に迷ってそのまま放置され、席が使われないままになっている光景を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
こうした「見えない席取り」は、レストラン全体の回転を妨げる原因になります。
先日訪れた「なにわ健康ランド 湯〜トピア」さんのレストランでは、この問題を一枚の卓上カードで解決していました。
そのカードは赤と青の両面刷りで、赤面には「お食事が終わりましたら、裏返しにしてください。
トイレ、喫煙等で5分以上席を外される場合は退席とみなし、片付けさせていただきます。予めご了承願います。」というご案内。
青面には「退席 ご利用ありがとうございます。お忘れ物がないようにご注意ください。」という文言が記されています。
お客さまは席を離れる際に赤面を上にし、食事を終えた際には自らカードを裏返して青面を見せる。スタッフは、カードが青面になっていればそのまま片付けに入り、赤面のまま5分以上経過していれば、ルールに従って退席とみなし対応するという仕組みです。
それだけで、片付けの判断に迷うことはなくなります。
このルールの優れた点は…
注目の業界ニュース
【東京都が銭湯承継支援を本格化】
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO88354210Y5A420C2L83000/
銭湯の廃業を防ぐため、東京都が2025年度に「公衆浴場承継マッチング事業」を開始するとのこと。経営者の高齢化と利用者減を背景に、公衆浴場数は1968年の約2700軒から430軒にまで減少。新制度では、後継者探しのためのマッチング支援に加え、設備改修費や賃料の補助も盛り込まれる見込みです。