黙浴POPを剥がす時

「アクトパスクラブ」会員の皆様、

今日は 2022年12月10日です。

注目の業界ニュース

【コロナ分科会専門家 年末年始に行動制限は求めず】
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/226503
コロナ分科会 尾身茂会長は「今は基本的には社会を少しずつ回そうということですよね。感染抑制だけを目的にするという時代も過ぎました」とコメント。去年の年末年始とは異なり、事実上の行動制限などは求めず、感染対策は個人の判断にゆだねる形となっています。

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黙浴POPを剥がす時

 飲食店から始まった「黙食」という言葉がTwitterのトレンド入りして、それならば温浴施設は「黙浴」だな、と考えてすぐに汎用性のあるPOPを作ってシェアしたのは、メルマガ第1461号「『黙浴』は伝わりやすい」(2021年1月30日執筆)の記事でした。

全国各地の温浴施設に行くと、今でも時折私がデザインしたそのPOPを貼ってくれているのを見かけます。「メルマガを見ていてくれているんだ」と、ありがたく思う一方で、「もうそろそろこれは剥がして欲しい」とも感じています。

当時はコロナ禍の正体も先行きもまったく分からず、お客様に来てもらうためにはどうしたらいいのか、少しでも安心できる環境を作り、万が一にも温浴施設がクラスターを発生させる危険な場所とやり玉に上がるようなことがあってはならないという、必死の思いで作りました。

しかし新型コロナ騒動から3年が経ち、今はもうその段階ではありません。政府としても年末年始の行動制限はしないという方針のようです。

「黙浴」というシンプルな2文字のメッセージは、誰にでもひと目で伝わりやすい反面、黙って入浴しなさいという強制的な意味合いなのか、それとも気遣いやマナーとしてお願いしているだけなのかは分かりません。人によって解釈は異なり、それが不要な軋轢を生んでしまうこともあるでしょう。

本来、多くの人が集まる飲食店や公衆浴場は、語らいや交流の場でもありました。コロナ禍という異常事態に遭遇して緊急避難的に黙食や黙浴という対策が広まったのです。

今でも陽性者数や重症者数が日々報じられており、感染不安が払拭されたわけではありませんので、人によっては近くに会話する人がいるとリスクやストレスを感じることでしょう。

多様な考え方、感性を持った人たちが同じ空間に混在する時に必要となるのが気遣いやマナーです。それは法律ではないのですから、強制ではなくあくまでも配慮のお願いです。

マスク着用や脱衣室での携帯電話使用なども同じことで、法律ではありません。嫌がる人や不安に感じる人がいるからご配慮くださいね、というだけのことなのです。

そのバランス感覚を失ってはいけません。厳しい禁止表現の貼り紙や、うっかり気づかなかった人をいきなり犯罪者扱いするような対応は、プロのサービス業としてどうかと思うのです。

店としては、公衆の場としての秩序、そしてすべてのお客様の安全を守る必要がありますから、危険や迷惑につながるような行為には対処しなければなりません。

柔道で言えば、堂々と勝負しない姿勢や軽微な反則に対しては教育的指導。それが2回目で注意、さらに重い「警告」、そして「販促負け」。サッカーなら「ファウル」、「イエローカード」、そして「レッドカード」。いずれも段階を踏んで対処します。

それらと同じことで、温浴施設の場合は、「ルールやマナーの控えめな掲示」、「問題行為が発生したら個別にお願い」、「2回目で厳しく注意」、「悪質な場合強制退場」、「出入り禁止」、「実際に被害があった場合は警察に」というように、段階を踏むべきでしょう。

何もやっていないすべての入館者に対していきなりネガティブなメッセージを押し付けるのではなく、問題が起きた時に審判が個別に対処すれば良いのです。

サービス業として集客しなければならないビジネスである以上、温浴施設はお客さまへのWELCOME!感にあふれた環境づくりが大切です。館内にいつもレッドカードが貼りまくられているような温浴施設では楽しくありませんし、また来たいとも思わないでしょう。

ですから、自分で作っておいて申し訳ないのですが、温浴施設としてはそろそろ黙浴POPは剥がしても良いのではないでしょうか、というのが私からのお願いです。

そして、この機会に館内に必要以上のネガティブメッセージが…

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