ikiサウナ

メールマガジン「日刊アクトパスNEWS」は、温浴ビジネスに役立つ記事とニュースを毎日お届けいたします!✉https://aqutpas.co.jp/mailmagazine/

先駆者は儲かるのだろうか(2)

 前回記事で述べたロウリュの普及は、新しいアイデアや技術の普及というよりは、ヨーロッパから日本へのサウナ入浴習慣の伝搬であり、文化そのものの移植という大きなゆっくりとした動きです。

もうちょっと分かりやすく、ひとつの技術・製品が短期的にどう普及していったのかという例を取り上げてみましょう。それはロウリュ自体ではなくて、どんなサウナでもロウリュできる環境を作る運搬式蒸気発生器『熱岩石』の話です。

ロウリュの普及がなかなか進まなかった要因のひとつに、日本のサウナ設備の特性が挙げられます。

サウナ室内で直火を焚くスモークサウナから進化し、石への水掛けによる「蒸気浴」で体感温度を調整する前提で作られたヨーロッパのサウナとは異なり、日本ではサウナは「熱気浴」と捉えられ、サウナ室の温度そのものを熱くすることで加温と発汗を促す仕組みです。そのため、日本製のサウナストーブは水掛けに対応した構造にはなっていませんでした。

電気式のヒーターは水をかけると故障してしまうことが多く、最も普及していたガス燃焼を熱源とする遠赤外線式ストーブにはそもそも水をかけるべきサウナストーンがない。それが日本のサウナでした。

したがって、そのような設備環境でロウリュをするためには、ヒーターに水をかけても大丈夫なように改造するか、水掛け専用にもう1台追加するか、それとも丸ごと交換するか、いずれかの対策が必要でした。その工事費は数十万円から数百万円という金額になってしまいます。

ロウリュをすることで一体どれだけお客様が喜んでくれるのか、それが業績向上にどれほど貢献するのかが想像できない段階では、大きな費用をかけてまでロウリュ仕様のサウナ室に変更しようと判断する施設はほとんどなかったのです。

いくらロウリュの素晴らしさを説いても、物理的に水掛けができないのですから、普及が進むはずはありません。

そんな歯がゆい状況が続いていたのですが、2008年7月に…

この記事は会員限定公開です。完全版をお楽しみいただくには、会員登録が必要です。

有料メールマガジン
「日刊アクトパスNEWS」

毎日、最新情報をお届けします。温浴業界の最新トレンドや成功事例をいち早く手に入れましょう!

以下の方に特にオススメです↓

  • 温浴施設や大浴場を持つ施設を経営されている方
  • 温浴施設の開業準備段階の方
  • 温浴関連事業での起業を検討されている方
  • サウナや銭湯の経営・運営に少しでもご興味がある方
  • 温浴ファンとして業界や施設の裏側まで知り尽くしたい方


→詳細はこちらから←

注目の業界ニュース

【満天の湯 ピンクリボン風呂開催】
https://www.townnews.co.jp/0115/2024/09/30/753263.html
横浜の「満天の湯」で、乳がんの早期発見を啓発するピンクリボン月間に合わせた「しあわせピンクリボンの湯」が開催されます。
湯がピンク色に染まり、入浴を通してセルフチェックの習慣を促す狙いがあります。男性にも乳がんが起こり得るため、男湯でも同様の取り組みが行われるとのことです。

温浴業界の最新ヒントとニュースを提供する専門メールマガジン | 株式会社アクトパス