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先駆者は儲かるのだろうか(2)
前回記事で述べたロウリュの普及は、新しいアイデアや技術の普及というよりは、ヨーロッパから日本へのサウナ入浴習慣の伝搬であり、文化そのものの移植という大きなゆっくりとした動きです。
もうちょっと分かりやすく、ひとつの技術・製品が短期的にどう普及していったのかという例を取り上げてみましょう。それはロウリュ自体ではなくて、どんなサウナでもロウリュできる環境を作る運搬式蒸気発生器『熱岩石』の話です。
ロウリュの普及がなかなか進まなかった要因のひとつに、日本のサウナ設備の特性が挙げられます。
サウナ室内で直火を焚くスモークサウナから進化し、石への水掛けによる「蒸気浴」で体感温度を調整する前提で作られたヨーロッパのサウナとは異なり、日本ではサウナは「熱気浴」と捉えられ、サウナ室の温度そのものを熱くすることで加温と発汗を促す仕組みです。そのため、日本製のサウナストーブは水掛けに対応した構造にはなっていませんでした。
電気式のヒーターは水をかけると故障してしまうことが多く、最も普及していたガス燃焼を熱源とする遠赤外線式ストーブにはそもそも水をかけるべきサウナストーンがない。それが日本のサウナでした。
したがって、そのような設備環境でロウリュをするためには、ヒーターに水をかけても大丈夫なように改造するか、水掛け専用にもう1台追加するか、それとも丸ごと交換するか、いずれかの対策が必要でした。その工事費は数十万円から数百万円という金額になってしまいます。
ロウリュをすることで一体どれだけお客様が喜んでくれるのか、それが業績向上にどれほど貢献するのかが想像できない段階では、大きな費用をかけてまでロウリュ仕様のサウナ室に変更しようと判断する施設はほとんどなかったのです。
いくらロウリュの素晴らしさを説いても、物理的に水掛けができないのですから、普及が進むはずはありません。
そんな歯がゆい状況が続いていたのですが、2008年7月に…
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