全国温浴施設協会

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力を合わせれば

昨年の11月26日に設立された業界団体「全国温浴施設協会」、弊社もその趣旨に賛同して賛助会員となり、東京プリンスホテルで開催された初の総会と設立記念パーティーに参加しました。

僭越ながら賛助会員代表としてスピーチさせていただくことになったのですが、200名もの聴衆を前にした緊張感と時間の制約で、話したいことの半分も喋れなかったので、あらためてこの場を借りて温浴業界団体についての積年の想いをまとめておきたいと思います。

もう四半世紀も昔のことになりますが、当時船井総研の開発コンサルティングチームに所属していた私は、土地有効活用の案件で更地から天然温泉施設の開業までをサポートし、オープンが成功した勢いに乗ってセミナーを企画しました。

今のサウナブームのごとく、その頃はスーパー銭湯ブーム真っ盛りだったのですが、セミナーの参加者をスーパー銭湯とした場合、対象となる施設数がまだ少ないため、セミナーとして成立させるのは難しそうだな、と考えました。

当時はSNSもなければオンラインセミナーもなかったので、セミナー開催の告知手段は郵便DM、会場は3ヶ月も前に抑えて、中止になればキャンセル料がかかることも。先行コストがかかるので、参加者を少なくとも20名くらい集めないと赤字になってしまうのです。

DMのレスポンス率を考えると、最低でも1000件以上の名簿は欲しいところ。

そこで、スーパー銭湯だけでなく銭湯からサウナ・健康ランド・日帰り温泉・公共温浴施設まで、お風呂屋さん全業態を対象にしたらどうだろう、ということになりました。

これが、業態を越えた「温浴業界」という概念のはじまりだったと思うのです。(たぶん)

告知先の名簿リストは、国会図書館に行って、全国の電話帳にあったお風呂屋さんの中から店名と電話番号だけでなく少し大きい広告枠を出しているところを抽出。積極的に広告を出しているくらいだからきっと商売熱心だろうと考えたのです。

そして「日帰り温浴施設 地域一番化セミナー」というタイトルで全国のお風呂屋さんに向けて1,500通くらいのDMを発送したところ、なんと100社を大きく超える参加申し込み数に。目論み通りあらゆる温浴業態からのお申し込みがありました。

慌てて大きなセミナー会場に変更してなんとか対応したのですが、この時に「この業界には横断的な団体組織がないため、みんな他店がどうやって経営しているのか知りたがっている」ということがわかりました。

公衆浴場組合やサウナ協会など限定的な団体はいくつかあるものの、温浴業界全体としては横のつながりがなく、バラバラな状態だったのです。

それから、業種業態に関係なく全ての温浴施設はひとつの業界として結束していくべきと考え、意図的に「温浴業界」という言葉を使うようになりました。

「展示会のひとつもなければ業界とは呼べない」と言って展示会を企画したり、毎年恒例で温浴全体の市場規模を算出して発表したりと、微力ではありますが四半世紀に渡って温浴業界全体の発展を意識した活動をしてきました。

2001年に厚生省と労働省が統合されて間もない頃、ひとりで意見書を持って本省庁舎に乗り込んだことがあります。その意見書には、公共温浴施設の整備と運営に関して、安全衛生対策や民業圧迫、運営赤字などの課題が多いので、なんとかする必要がある、ということを書いたのですが、手続きも交渉方法も知らない無謀な若造は、ほとんど相手にされずに撃沈でした。

翌2002年には、宮崎県の公共温浴施設でレジオネラ菌の集団感染事故が起きてしまいました。
2004年は、長野の有名温泉地で温泉偽装事件。
2006年は、週刊誌による岩盤浴バッシング。
2007年は、渋谷で温泉ガスによる爆発事故。

事件が起きる度に温浴施設は怖いとかあやしいといった風評が起きても、反論や抵抗の手段がないことを悔しく思ってきました。

2011年には東日本大震災。被災から何日経ってもお風呂に入れず、つらい思いをしている人がいるというニュースに居ても立ってもいられず、業界仲間に声をかけてドラム缶風呂やテントサウナによる入浴支援に向かったこともありました。

そして2020年からのコロナ禍。温浴施設に対する営業自粛要請はおかしいと、数社連名で東京都知事宛てに陳情書を送りましたが、これも返事すらなし。

ひとりでは、無力に等しい。

業界全体がつながって力をあわせることができれば…と思いつつ、四半世紀かけてもあまり進歩がなかった、というのが正直なところでした。

ところが、昨年くらいから新しい動きが始まりました。それが「全国温浴施設協会」の設立です。(つづく)
(望月 義尚)

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