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今日は 2022年2月15日です。
トンネルを抜けると
商業立地の選定基準のひとつに、山(坂道)の上の物件は避けるべきという考え方があります。徒歩や自転車でのアクセスが困難なので、当然のことです。
近隣の商圏人口が希薄なエリアも商売には向いていません。安定的なリピーターの絶対数を確保するのが難しいからです。
ましてや冬は雪に閉ざされる豪雪地帯となれば車でのアクセスも大変で、さらに条件は厳しいと言えます。
もしこれから温浴施設を作ろうという話であれば、私はきっと「やめた方がいいと思いますよ。」と言うでしょう。
そんな場所、新潟県十日町市松之山温泉にナステビュウ湯の山はあります。
車10分エリアの商圏人口はわずか千人。スーパー銭湯の成立基準のわずか1/100のマーケットです。
創業して28年ですから、もはや老舗温浴施設の部類ですが、いまだ元気に健闘しています。
弊社とは長いお付き合いですが、場所が場所だけに定期的に訪問するのも大変なので、コロナ禍になるずっと前からオンラインでのお付き合いが続いています。
高橋社長はちょっと変わった人で、弊社のアドバイスをそのまま素直に実行することはまずありません。
といっても決断力や実行力が乏しいわけではなく、いつも提案の斜め上のプランに仕立て上げて実行するのです。読者の皆様もヘラクレスオオカブトの養殖や巨大ニワトリ店長の話を憶えているかと思いますが、すべて高橋社長のアイデアです。
今年は雪がよく降っていますので、松之山温泉の積雪は現在3.5m。日本第二位の豪雪地帯だそうです。
雪道のアクセスは大変ですが、都市部の人からするとそんな豪雪はなかなかお目にかかれないので、観光客にはウケるかも知れませんよ、という提案を以前からしていました。
数年前に崖の上で絶景を眺めながらビニールプールの温泉に入る『ゲリラ露天風呂』をテストされていたので、先月のオンライン会議で、今年は冬のイベントを仕掛けてはどうでしょうか?と提案したところ、「そんな生易しい雪じゃない」「人手も足りないし」と否定的でした。
この大雪ですし、さすがに無理か…と思っていたのですが、昨日ブログを見たらとんでもないことを始めていました。
https://yunoyama.jp/blog/mikio/column/21899/
以前から露天風呂でのテントサウナは実行されていたのですが、その経験を踏まえて雪のトンネルの先のプライベートサウナに発展したようです。
脱衣場も雪洞の中。トンネルを抜けると崖の上の見晴らしの良いところにテントサウナが設置されています。誰もいないので、全裸で利用可。
最近は全国に面白いサウナが次々と登場していますが、これは豪雪地帯の山の上でしかできない唯一無二の体験と言えるでしょう。
山の上の豪雪地帯、近隣人口なし。そんな絶対的に不利な条件も…
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