先日、『Wellness Business』誌様よりインタビューしていただく機会があり、「日本は世界一の温浴大国なので、これから世界のウェルネスの主役になる」という主旨のコメントをいたしました。
世界一とはまた大きく出たもんだ!とお感じになるかもしれませんが、私がそのようなことを申し上げたのにはそれなりの理由があります。
まず、日本の温浴文化の発達度です。映画「テルマエ・ロマエ」で主人公の古代ローマの浴場技師が現代日本にタイムスリップして、その入浴文化や技術の発達に驚くというストーリーがありましたが、同じ現代で比較しても、日常の入浴習慣や最先端の温浴テクノロジーという点では、間違いなく日本が世界一と言えます。
世界的に見ても、毎日温かいお湯を張った浴槽に浸かる習慣が国民全体に根付いている国は他にありません。技術面でも、家庭用の全自動給湯システムや、温浴施設における高濃度炭酸泉、マイクロバブル、電気風呂などの科学的な温浴アプローチ、さらに衛生管理システムで日本は群を抜いています。
また、銭湯からスーパー銭湯、サウナ、高機能スパへと独自に進化を遂げた大衆温浴ビジネスの多様性とクオリティも、世界に類を見ません。
次に、サウナを中心とした精神性と生活への密着度という点では、フィンランドが世界最高峰です。人口約550万人に対して300万以上のサウナがあり、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。フィンランドにとってサウナは単なるリラクゼーションではなく、心身を清め、人とつながるための生活基盤そのものです。ロウリュの質を追求するストーブ技術や、自然と調和したサウナのあり方は、世界のウェルビーイングの基準になっています。
そして、医療や予防医学としての温浴技術という点では、ドイツが最も進んでいます。ドイツでは温泉や入浴が自然療法(クア)として公的に認められており、医師の処方に基づいて温泉療養が行われるなど、科学的エビデンスに基づいた入浴プログラムの制度化が進んでいます。
また、サウナのエンターテインメント性と技術を融合させたアウフグースのプロフェッショナルな文化も、ドイツを中心に高度に発展してきました。
このように、日本の日常・技術、フィンランドの精神・サウナ、ドイツの予防医学・エンターテイメントという3つの潮流が、現代の世界の温浴文化を牽引していると言えます。
それぞれの国が持つ本物の価値をうまく融合させることで、これから日本の温浴施設はさらに面白い進化を遂げるだろうと想像しています。その動きはサウナブームで加速していますが、もともと海外の文化を取り入れながら独自の進化をさせるのが日本のお家芸ですから、自然とそうなっていくことでしょう。
ちなみに、こうした世界の優れた温浴文化や技術を取り入れていく中で、これからの日本の施設が最も大切にすべき日本独自の強みは何か?と考えると、ありきたりな答えかもしれませんが、それは…
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業界関連トピック
【銭湯業界、売上は最高水準も利益は半減】
https://www.tdb.co.jp/report/industry/20260411-spa25fy/
帝国データバンクの調査によると、2025年度の銭湯市場(事業者売上高ベース)は1,200億円前後と、コロナ禍以降で最高水準が見込まれる一方、2025年度の利益合計は約27億円と前年度(49億円)から半減。2024年度は4社に1社が赤字経営で、2025年度には「業績悪化」の割合が6割を超える水準。「増収減益」構造は、燃料費・人件費の高騰による影響を示しており、設備投資の回収期間を見直しや収益構造の再設計が今後更に重要になります。






