サウナの事業化に必要な4要素
2022年の2月に開講したサウナ開業塾、多くの受講お申込みをいただき、第4期までで120名を超える卒業生を輩出いたしました。
卒業生の中にはすでにオープンした人、これから着工する人、計画を練っている人、いったん諦めて最初から考え直している人…それぞれですが、サウナ開業塾をやったことで日本のサウナ文化の発展を少し後押しできているのかも知れない…そんな感触を得つつ、現在第5期開催に向けて準備中です。
https://aqutpas.co.jp/sauna-kaigyo-juku/
講座の中でも繰り返し出てくる話なのですが、サウナ施設を開業するためには、大きく分けると
・【プラン】どんなサウナをやりたいのか
・【立地選定】それをどこでやるのか
・【資金調達】それはどれくらいの資金が必要なのか
・【事業性】それをやって、採算はとれるのか
という4つの要素を見通せるようになる必要があります。やる気だけでは実際にスタートすることはできません。
自社物件があるとか、ととのうための理想的な環境が見つかった、というように場所ありきで話がスタートすることもあるでしょうし、サウナ好きが高じて理想のサウナ施設が頭の中で出来あがり、それを実現させたいという人もいるでしょう。
資金的な余力があり、何かに投資したいと考えてサウナブームに目を付けたというケースもあるかも知れません。
出発点は人それぞれでも、上記4要素を揃えないと事業化できないということは誰でも共通です。
その段階の方々にぜひ知っておいてもらいたいのが「立地7割」という言葉です。
実際に塾生さんとの質疑のやりとりを転載いたします。
Q.事業収支計画を進めるにあたって、土地・物件は計画自体を左右する基盤となる要素だと思います。
現在、物件・土地などが決まっておらず、事業にあった場所を検索・調査している段階なのですが、空き土地や営業用物件を調べる良い方法などはあるのでしょうか?
ネット検索で不動産サイトで事業用物件・土地を検索するも、地方であるためか検索結果が少なく、マッチするものを見つけることができておりません。
A.商売の世界では昔から「立地7割」という言葉があるように、いくらいい店をつくったとしても、その業態に最適な場所に出店していないとうまくいかないものです。
ですが、闇雲に良い場所を探そうと思っても、「何をしたいのか」が定まっていなければ探しようがありません。まずはご自身が「どのようなサウナ施設をやりたいのか」がすべての出発点だと思います。
頭の中のイメージで良いのです。恵まれた自然環境の中のサウナなのか、ハイクオリティなこだわりの設備なのか、手厚いおもてなしなのか…。
そのイメージの先に、その施設があるべき場所は繁華街や市街地なのか、郊外なのか、あるいはもっと自然の豊かなところなのか。
また、更地なのか、ビルインなのか、あるいは古民家が良いのか、といったこともイメージできてくるのではないかと思います。
その次に資金調達のボリュームを考えてみてください。自己資金、金融機関からの借入、出資を募る、クラファン…。これがどのくらいの金額なのかで、大雑把な投資額→店舗面積がイメージできます。
仮に資金調達の7割くらいを工事費にかけるとして、
・ビルイン(内装設備だけ)なら坪あたり150万円くらい
・新築なら坪200万円くらい
・建築の少ないアウトドア施設なら坪100万円くらい
を目安として工事費÷坪単価を計算すると、ざっくりとした施設規模が出てきます。あとは必要に応じて外構や駐車場を足せば全体の面積が分かります。(実際の工事費単価はプランや施工方法によって左右されるので、あくまでも目安です。)
この施設のイメージをあてはめれば、探すべき立地条件はかなり絞られてくるでしょう。
実際の物件を探す方法はいろいろあります。
ネット検索だけでなく、周りの人や不動産会社に相談してみる、自分で動き回って探す。
そうしているうちに、「ここでサウナをやりたい!」という場所に出会えるのではないでしょうか。
良さそうな場所が見つかったら、そこからは開業塾で学んだ知識が活躍します。
まず、そこを借りられるのかどうか。
売上はどのくらい見込めるか。
地代家賃はいくらなのか、法的規制、給排水、電気…。確認すべきことはたくさんあります。
条件をクリアできなければ、また次の物件を探すことの繰り返し。立地7割ですから、ここが真剣勝負です。
この質問をいただいた塾生さんは、まだ場所が決まっていない段階なので、4要素のうちの【立地選定】がブランクです。それを埋めるためにどうすればいいのか?というご質問でした。
これはたった1回だけの質疑のやりとりですが、このようなことも知らずにいつまでも悶々と悩んでいた人や、知らないままに勢いだけで突き進んでしまい、不動産契約したのに後でキャンセルする羽目になるといった失敗談も聞きます。
サウナ事業を成功させるためには、膨大な数のハードルを乗り越えていく必要があります。施設のオープンもひとつのプロセスに過ぎず、長い時間と無限の努力の先に成功が見えてくるのです。
サウナ開業塾でお伝えできることはその一部分に過ぎませんが、何も知らない状態と比べれば大きな違いがあると思います。
ところで、意外なことにサウナ開業塾生のうち1割くらいは、これからサウナ開業を目指す起業家ではなく、温浴業界関係者の方々でした。
既に施設を運営されいてる人でも開業プロセスは経験していないので勉強したいという人、サウナ開業を側面支援する立場として知識を持っておきたいという人。そういった方々にサウナ開業ノウハウをお伝えすることも業界発展にプラスになると思うので、弊社としては大歓迎しております。
(望月 義尚)
注目の業界ニュース
【サウナ開業塾 第5期】
https://aqutpas.co.jp/sauna-kaigyo-juku/
最新の業界事情やビジネスモデル研究を反映させた「サウナ開業塾 第5期」が4/5に開講。
新たに追加された「Lesson7 2023最新サウナ事情」は、卒業生の方もオプションとして単体で受講が可能です。