ひまわりやスイカの小物と共に飾られた8月のカレンダー

 クルクルと風向きが変わる世の中ですから、経営の舵取りは難しさを増す一方です。不確実性が高まる現代において、企業が安定した成長を続けるためには、これまで以上に柔軟な戦略が求められます。

そんな時どうすれば良いのか? その答えのひとつが「リピーター重視」であると、先のメルマガ(第2764号、2025年7月19日配信)でお伝えしました。既存顧客との関係性を深め、安定した収益基盤を築くことが、変動の激しい時代において事業の継続性を高める上で不可欠なのです。

そして、もうひとつ意識しておきたいことがあります。それは、「手数重視」の考え方です。

温浴施設運営においては、業績アップのために様々な手を打ち続けるわけですが、その施策の中には、日々コツコツと実践するような小さな企画もあれば、大きな成果を狙った渾身の一撃もあるでしょう。

準備にしっかり時間やコストをかけ、狙いすました施策を打ち出しても、もし空振りに終わって期待したような成果が上がらなかったら、かけた時間やコストが無駄になるだけでなく、精神的にもダメージが大きくなります。次の手を考える気力が削がれてしまうかもしれません。風向きがクルクルと変わる中では、どれだけ周到に準備しても、予測不能な変化によって成果が左右されてしまいます。

風向きが変わりやすい時は、当たっても当たらなくてもそれほど気にならないくらいの、小さな企画を数多く打つ方が良いのです。「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」という言葉があるように、手数を打っていく中から、意外なところでヒットが生まれることがあります。例えば、SNSでのちょっとした発信、館内でのミニイベント、特定の顧客層に向けたクーポン配布など、低コストで迅速に実行できる施策を次々と試すことで、予期せぬ成功の糸口が見つかるかもしれません。

このような「手数重視」の体質が象徴的に現れるツールが…


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【老舗温泉ホテルを再生させた“逆張り戦略”とは】
https://www.fnn.jp/articles/-/905134
経営難に陥った別府温泉の老舗「杉乃井ホテル」は、コスト削減ではなく積極的な「投資」によって再生。高台の立地を活かした5段構造の露天風呂や、ライブキッチン付きのビュッフェを導入し、顧客満足とスタッフのやる気向上を実現しました。
従来の発想にとらわれないお客様目線の改革が、施設価値の向上につながったとのことです。
老朽化施設の再生には、「削る」だけではなく、「磨く」視点も非常に重要です。

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