雨天の中、ウッドデッキに設置されたリクライニングチェアと濡れたアウトドア用パラソル

4月13日に、株式会社SAKURA PIRATES代表の酒寄さんからお誘いをいただき、“眠り”と“脳疲労の回復”に特化したドライヘッドスパを中心にリラクゼーションを提供しているRESET LABORATORYさんの「HUBHUB下北沢店」オープン記念イベントに参加しました。
https://resetlabo.net/
https://hubhub.jp/facility/shimokitazawa/

イベントは、入場(10分)とシャワー(10分)から始まり、サウナ(15分)、水風呂&Bechill体験(10分)、シンギングボウル(15分)、グループウィスキング(20分)の流れで進みます。
短い休憩(5分)を挟んだ後はメインのヘッドスパ(45分)、最後にシャワー(10分)という合計約140分の総合リラクゼーションプログラムでした。

これまで少人数向けのプログラムコースを体験する機会はあまりなかったのですが、想像以上に心地よく、途中何度も寝落ちしてしまうほどで、最高の日曜日を過ごすことができました。

あらためて、温浴施設における「プログラム化」には大きな可能性があると感じました。


日本のほとんどの温浴施設では、入浴やリラクゼーション、飲食などを、それぞれ独立したサービスとして提供しています。

お客様は興味や時間、予算に合わせて自由に選ぶため、サービスごとに利用率に偏りが出たり、「こちらの方が安い」「あちらの施設には〇〇がある」といった部分的な比較に陥りやすいのが実情です。

せっかくしっかりとした全体のコンセプトを打ち出していても、サービスの種類や数、価格ばかりが注目され、“体験全体”の価値を十分に伝えきれていないことが多いと感じています。

一方、今回のようにメニューをただ並べるのではなく、複数の工程を組み合わせて「徹底的な疲労回復」「最高の睡眠体験」などの目的を明確に掲げ、その目的を高めるために一貫した流れを設計することで、単なる足し算を超えた“掛け算”の価値が生まれることを実感しました。

そうなれば、お客様に「唯一無二の体験」を提供できるだけでなく、価格をサービスの合計額ではなく「ここでしか味わえない特別体験」の対価として提示しやすくなるので、周辺施設との設備スペックや価格競争からも一歩抜け出すことができるでしょう。

さらに、サービス数の最適化によって無駄なスペースが減り、坪効率の向上にもつながります。あわせて、人員配置も最適化されるので、「稼働がある限り安定した収益が確保できる」という状態になり、リラクゼーションスタッフの収入安定や内製化にも繋がると考えます。

これは単なる理想論ではなく、かつて実例もありました。

かつて弊社の代表が顧問を務め、温浴施設のオーナーや支配人さんもファンだったとよく聞く「ニュージャパン スパグランデ」さん(2017年に惜しまれつつ閉館)は、フットバス、スパ&サウナ、ボディクリーン、ボディケア、整髪、ラウンジ利用(ワンドリンク付)、肌着クリーニングなどがセットになったコースを22,700円~で提供し、まさに「プログラム化」を実現していた事例です。
http://newjapan.to-ne.co.jp/sauna_spa/spa_grande

もちろん、こうしたプログラム化は開業時に設計しておくのが理想的ですが、既存施設でも、自店が持つ資源(浴場設備、マッサージ、眺望、食事など)を整理し、「誰に」「どんな価値を」提供するのかを明確にすれば、導入できる可能性は十分にあると思います。

同じ設備であっても…


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注目の業界ニュース

【温浴施設での性犯罪、施設側も「幇助罪」リスク】
https://news.livedoor.com/article/detail/28568411/
同性間であっても、公共空間での性的行為は不同意性交罪や公然わいせつ罪に該当し、合意の有無にかかわらず違法。さらに、こうした行為を施設が黙認していた場合、幇助罪が適用される可能性もあると、専門弁護士は警鐘を鳴らしています。
施設側には、防犯カメラの適切な設置や定期的な巡回強化、明確な掲示物による注意喚起など、「施設としての明確な対応姿勢」が求められています。​​​​​​​​​​​​​​​​

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