先日、ある地域で温浴施設の新規開発を検討している企業のトップと意見交換をする機会がありました。
さまざまな話をした最後、その経営者が静かに、しかしはっきりと言った言葉が印象に残っています。
「しっかりと儲かることをやりたいので、よろしく頼みます。」
温浴業界とは異なる分野で急成長を遂げてきた経営者らしい、極めて健全で、当たり前の一言です。
そして正直に言えば、温浴業界ではこの「当たり前」が、あまりにも軽視されてきたと感じています。
温浴ビジネスは、うまくいけば多くの人に喜ばれ、地域に根づき、街の価値を高めることができる素晴らしい事業です。
しかし、儲からなければ不幸でしかありません。
赤字が続き、資金繰りに追われ、最後は撤退…。その結末で困るのは経営者だけではありません。利用者、従業員、取引先、そして地域社会まで巻き込み、不幸が連鎖します。
資本主義社会において、「儲からない事業」は善でも美談でもなく、ただの失敗です。
にもかかわらず、温浴施設の開発や経営の現場では、「儲ける」という視点が抜け落ちたまま話が進んでしまうケースが後を絶ちません。
自己満足的に「良い施設をつくること」だけに目を奪われ、事業としての成立条件が置き去りにされてしまう。
これは決して珍しい話ではないのです。
では、温浴ビジネスにおいて「儲からないこと」とは、具体的にどんな状態を指すのでしょうか。
ここでは、よく見かける代表的なパターンを整理してみます。
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