木製の湯口から源泉が流れ込む温泉浴槽

あるご支援先で、温泉ポンプが故障し、源泉を汲み上げられなくなるトラブルがありました。復旧までの間は沸かし湯で営業せざるを得ず、そのことをお客様に伝えると、実にさまざまな反応が返ってきました。

「温泉じゃないなら帰ります」ときびすを返す人。「当然割引するんでしょう?」と詰め寄る人。どちらも年配のお客様でした。一方で若い世代やサウナ目的の来館者は、「天然温泉かどうかはあまり関係ない」という反応だったそうです。

これらの反応も踏まえ、入館料は値下げせずに、沸かし湯の期間はイベント強化やポイント還元で対応しようということになりました。

この話を聞いて、20年ほど前に別の施設で同じようにポンプ故障が起きたときのことを思い出しました。当時は「天然温泉でない以上、入館料は下げざるを得ない」と判断し、温泉が料金に占める価値はいくらなのか?と真剣に議論したことを憶えています。

その頃までは、銭湯よりも高い料金をいただく温浴施設においては、「天然温泉であるかどうか」がとても重要であり、料金や集客力に直結する要素でした。言い換えれば、温泉信仰がまだ強く残っていた時代です。

「湯治」という言葉が示すように、温泉には昔から治療や療養の効果があると考えられてきました。一部には特別な成分を持つ湯もありますが、多くは温熱効果が中心で、必ずしも温泉でなくても得られる効果です。

しかし医療が未発達だった時代には…


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