「アクトパスクラブ」会員の皆様、
今日は 2023年7月1日です。
ヨーロッパサウナ紀行(8) デジタル後進国
羽田からヘルシンキに向けて出発する時、ひとつ実験を思いつきました。それは、今時なら現地通貨に両替せずにキャッシュレス決済だけで行って帰ってこれるのではないか?ということです。
かつて海外旅行する時は、出発前にある程度現金を現地通貨に両替して持っていくのが当たり前でした。もちろん今でも空港には両替屋さんが出店して、多少は現地通貨を準備していくのが一般的だと思います。
さらに言うと、昔は現地で現地通貨が足りなくなった時に日本円からだと直接両替できないことがあるので、TC(トラベラーズチェック)に換えておくとことが必要な時代もありました。
フィンランドとエストニアはユーロですが、チェコはコルナ。二種類も両替するのは面倒ですし、ツアーなので個人的な支払い機会は多くないとしたら、クレジットカードだけでも行けるのではないかと思い、両替をしないことにしたのです。
実験の結果は予想通り。温浴施設やレストラン、物販店、交通費も含めて、現金を持たずとも何の問題もありませんでした。
現金を持っていないと困ることがあるんじゃないか?と不安を感じる私の日本人的感覚は国際的に遅れているということが実感できました。
この遅れはあと数年で追いつくことになるでしょう。エストニアのe-ID制度を真似て導入したマイナンバーカード制度は拙速だったと問題になっているところですが、そんな議論自体がガラパゴスなのかも知れません。
これは温浴ビジネスにとっても重要なことです。今後は決済手段が急速にキャッシュレス対応へと切り替わっていくことになるでしょう。いまだに現金しか使えないタイプの券売機が多い温浴施設は時代遅れと言われても仕方ないですし、そのことに危機感を覚える必要があります。
先送りすればするほど、現金しか使えないことによる細かいチャンスロスが積み重なっていきます。決済手数料の負担増はありますが、チャンスロスの方が大きくなっていくのですから、キャッシュレス精算対応を急ぎましょう。
今回の視察では、キャッシュレス決済の部分以外でも、日本のデジタル後進国ぶりを何度も感じさせられました。
規制緩和が問題になっている電動キックボードも、ヨーロッパでは皆が普通に使う交通手段となっていました。タクシーはアプリを使って自分の居るところまで迎えに来てもらうのが当たり前。それらの決済も当然キャッシュレス。
エストニアのタリンにあるElamus Spaは、デジタル先進国と言われるエストニアでも最大級の温浴施設で…
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街中を軽快に走行できる乗り物「電動キックボード」の規制が2023年7月に緩和されることになりました。都市部の歩道などではトラブルが予想される一方、地方では移動手段が増えることで、観光などのマーケットの活性化につながる期待も。温浴施設としてはウエルカムな変化ですが、駐輪スペースの確保が必要となりそうですね。