成長を続けるサウナマーケット(2)

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昨日配信されたメルマガ記事「成長を続けるサウナマーケット」（渡部卓也執筆）に、とても気になるフレーズがありました。

Googleトレンドを使った都道府県別サウナマーケットの分析で、2022年7月末からの一年間と2023年7月末からの一年間を比べると、福岡県が最も顕著な伸長率を示していたという部分です。

全国でも突出して伸びていたのは福岡県。

サウナ開業塾の卒業生であるサウナヨーガンさんの他、SHIAGARU SAUNAさん、for saunerさん、それ以外にも新規出店が相次いだことが要因と思われますが

Googleトレンドの都道府県別「サウナ」検索は、その地域のサウナに対する関心度であったり話題性が現れているものと考えられますので、それが急伸する理由として、新規出店が影響していると考えるのは確かに一理あります。

ひとつの事象に対して、それが起きた理由を考えるのは「仮説」です。渡部はあっさり書いていますが、この仮説が本当かどうか、本当だとしたら、どうしてそうなっているのかを考えてみる必要があると思い確認してみました。

まず、新規出店が多いと「サウナ」検索は増えるのか？

それを確認するためにサウナイキタイの「最近オープンしたサウナ一覧」ページから都道府県別に新規開業サウナの数を拾ってみました。

念のためお断りしておきますと、サウナイキタイは全国のユーザーや施設自身から寄せられる情報で成り立っていますので、その情報が完全に正確かどうかは分かりません。「最近オープン」に掲載されぬままオープンした人気施設もあります。しかし、サウナイキタイ以上に正確な調査データは存在していませんので、マーケット分析をする上で最も信頼性の高い情報源であるという前提です。

まず、この1年間（2023.7末～2024.7末）のサウナ新規オープン件数は全国で360件。

最もオープンが多かった都道府県はやはり東京都で、年間34件。全国の新規開業のうち概ね1割を占めています。次いで神奈川県が25件。

つまり、「人口の多い地域は新規開業件数が多い」という傾向は間違いなくあるのですが、人口ランキングと新規開業件数ランキングは必ずしも一致していません。

福岡県は、都道府県別人口ランキングで言うと8位ですが、サウナ新規オープン件数は年間16件で6位です。つまり、福岡県は平均的な人口あたり出店ペース以上に出店が活発だった地域ということになります。

しかし、これだけでは福岡県がGoogleトレンドのサウナ検索の伸び率がトップであったことの説明はつきません。

単純に「平均的な人口あたり出店ペースよりも出店が活発だった地域」という比較をすると、福岡県以上に出店が多かった地域がたくさんあるのです。参考までに［人口÷新規開業件数］が最も低い（人口に対して出店数が多い）地域の第1位は長野県、2位は富山県、3位は山梨県で、福岡県は22位です。

では地域におけるサウナへの関心度や話題性の伸びに何が影響すのだろう？ということを改めて考えると、単なる新規出店の数だけではなく、個々の施設がどれだけ注目を集め、話題になるような動きをしてきたか、ということではないかと思い至ります。

その点では渡部が指摘したように、最近の福岡県の新規出店は単に件数だけでなく、開業前から注目を集め、存在感を示した施設が多かったようです。

特定の地域のサウナが頑張って、サウナへの関心度や話題性が高まれば、間違いなくその地域のサウナマーケットは活発化します。地域住民のサウナ参加率が高くなり、他地域からのサウナ目的の流入（サ旅）も増えるでしょう。

以前のメルマガ第2462号「サウナマーケットの変化と新・サウナ開業塾」（2024年7月3日配信）で、「人口あたりサ活数」という概念をお伝えしましたが、現時点でサウナイキタイにおける全国の累計サ活数は5百万件を越え、総人口で割った人口あたりサ活数は41件/1,000人です。

これは全国平均値ですが、トップの東京都では108件/1,000人。逆に最下位の山口県の場合は7件/1,000人であり、その差は15倍もあるのです。

この差を伸びしろと考えれば…

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