夜の明かりに浮かぶサウナ施設「しずの湯 相模原」の入り口

先週末、今年2月に座間市で開業した「しずの湯 相模原」さんを初めて訪問しました。2024年5月に57年の歴史に幕を下ろした老舗銭湯「亀の湯」をリノベーションした男性専用サウナ施設です。

建物全体には銭湯特有の落ち着いた雰囲気が残り、既存浴槽を活用しつつ内装を一新。さらに、男女浴室を隔てていた壁を撤去するなど、要所を大胆に改修したことで「サウナ施設」として見事に生まれ変わっていました。

要となるサウナ室は旧男性脱衣室を丸ごと改装し、約20名を収容できるビッグサウナへと拡張されていました。もともと男女それぞれ3〜4名収容の小型サウナだった部分は躯体を活用し、壁面とベンチを更新してプチ内気浴スペースに転用されていました。

通常時も設定温度は高めですが、20分間隔のオートロウリュで体感温度ガツンとアップ。水風呂には亀の湯時代から引き続きミネラル豊富な地下水が使われており、しっかり“ととのう”ことができました。日曜の遅い時間帯でしたが浴室は賑わい、近隣のサウナーを確実に獲得している印象です。

弊社にも、廃業した銭湯を購入しサウナ施設へ業態転換したいというご相談がしばしば寄せられます。

元銭湯物件のリニューアルは老朽化リスクを差し引いても堅牢な躯体・防水設備・豊富な水回りインフラを備えており、新築と比べて初期投資や工期を大幅に短縮できる点が大きな魅力。

また「銭湯文化を残す」というストーリーが共感を呼び、クラウドファンディングでも有利に働きやすい傾向があります(実際に「しずの湯」や「PARADISE」はいずれも目標額を大幅に上振れしています)。

一方で、ゆとなみ社さん・ニコニコ温泉さん・楽久屋さんが手がける施設を筆頭に、銭湯業態を維持した継業や運営受託は増えているものの、サウナ施設への業態転換は愛知県岡崎市の龍城サウナや東京都港区のPARADISE (銭湯→飲食店→サウナ施設)など、ごく限られた例にとどまっています。

その最大の要因は…


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