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温浴ビジネス年頭所感2025
新年あけましておめでとうございます。
今年も元旦早朝に初日の出や初富士を拝もうと海岸まで行ってまいりました。私のお気に入りの撮影スポットは江ノ島のタワーと初日の出が重なるダイヤモンド江ノ島が撮影できる場所なのですが、昨年より人出が増えている印象でした。雲も少なく、良い写真が撮れました。
昨年は元旦から不穏なニュースが続く年明けでしたが、今年はどうなることでしょう。国際情勢、物価上昇、感染症、天変地異…気になる要素を挙げればキリがありませんが、それらはいくら心配してもどうこうできるものではありませんので、自分にできることを粛々と進めるのみです。
ということで、新年を迎えて、今年の温浴業界について私が思うところをまとめておきたいと思います。
1.活発な新規出店が続く
2024年10月に厚生労働省から公表された最新の「衛生行政報告例」によると、公衆浴場の営業許可件数は年間1,033件と年間一千件の大台を越え、対して営業廃止件数は1,023件でしたので、開業が廃業を上回りました。これは2007年以来実に16年ぶりのことで、これまではずっと廃業の方が多かったのです。
コロナ禍の経営ダメージの蓄積と一時しのぎで借りまくったコロナ関連融資の返済開始によって、廃業件数が増えるのではないかと思われましたが、それを上回る新規出店ペースでした。これもコロナ禍で中断・延期となっていた計画が動き出したということや、事業再構築補助金の後押しもありますが、何と言っても投資のハードルが低い小規模サウナ業態が台頭したことが大きく影響したと思われます。
廃業していくのは主に業績不振の銭湯や古いスーパー銭湯で、一方新規開業する施設は規模は小さいとは言えサウナブームで集客好調、しかも高単価なサウナ施設ですから、市場規模も拡大基調に転じています。
競争激化で大型化に向かっている最新型のスーパー銭湯と比べると、小規模サウナ業態なら商圏人口が少なくても成立できますので、これまで温浴施設の出店が少なかった地域にも進出していくことになるでしょう。
つまり、これからもサウナ業態を中心に活発な新規出店が続くだろうと考えています。
新規出店にブレーキをかける要因として建築工事費の高騰が挙げられますが、浴槽設備を抑制したサウナ業態であればローコストに作れる可能性があり、そういった事例も増えてきていますので、この点からもサウナ業態が伸びると考えられます。
2.既存施設の業績も伸びる
明るい話題が少ない昨今の日本経済ですが、温浴業界に関して言うと2025年の既存店業績は伸びるだろうと考えています。
理由のひとつはコロナ禍からの回復です。感染法上の5類移行から1年半が経過しましたが、コロナ前から比べると年配客や主婦層など従来の主要客層がまだ戻り切っていません。つまり今後も回復の余地を残していると考えられるのです。
もうひとつは、サウナマーケットです。ブームと言われた2019年頃からの急激な成長カーブは鈍化したものの、マーケットは現在も活発な状態で安定しており、地方はむしろこれから伸びると考えられます。
弊社が小冊子「サウナブームの風に乗る」を発刊したのは2021年でしたが、それから4年間、サウナ強化に取り組んできた施設はまさに追い風に乗って飛躍的な伸びを見せました。しかし、温浴業界全体を見渡せば本気で取り組んでいるところはごく一部であり、どうしたら自店にサウナファンを増やすことができるのか、よく分からずまだ実行できていない施設が多数派です。ここにも大きな伸びしろがあると考えられます。
弊社と業績データを共有しているアクトパスクラブ会員企業様の多くは、売上2桁成長のペースで推移しています。元々勉強熱心な会員様が集まっているからとも言えますが、仲間が実際に行動して成果を出していることにお互い勇気づけられ、迷いなく実行できているからこそ成長が早いのです。
「所有から共有の時代へ」と言われますが、情報共有もそのひとつなのかも知れません。(つづく)
(望月 義尚)
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