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実録・温浴事業再生の現場から(5)
【深刻な赤字体質】
子供でも分かるようにメリットを説明したつもりなのに、どうしてすぐにシャワーヘッドを交換しないのだろう?
しびれを切らした私は、休館日に自ら現場に節水型シャワーヘッドを持参して、支配人と現場スタッフに見せながら時間を計ってバケツにシャワーの水をため、節水効果を目で確認していただきました。
当日は本社の経営企画室長も立ち会っていたのですが、その段階になってようやく支配人が経営企画室長に対して、シャワーヘッド交換について説明しはじめたのです。
この組織の赤字体質は深刻かもしれないと気づきました。
ハードをリニューアルする前に、まず運営努力だけで業績を上向かせて、弾みをつけてからリニューアルに着手する。温浴施設経営再建の定石と言える手順ですが、定石通りでは解決は遠いことを感じました。
支配人がひとつ4,000円程度のシャワーヘッドの交換を即断できないのは、本社に稟議を通すのが大変なことだからなのだろうか?
もしくは、これまで無駄な水光熱費を払っていたことの責任を問われるのを恐れているか?
いずれにしても、数か月で元が取れるはずのシャワーヘッドの交換すら即断できないとなると、これから先の大きな改革は厳しそうです。
結局当時の支配人は私どもがコンサルティングに入って数ヶ月で退職されました。
長年赤字営業が続いていても…
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