和風カフェで提供される、串に刺さったみたらし団子と自分で焼くための白い団子、餡や抹茶のソース、小さな七輪が並ぶ様子

今世紀初頭は温泉と岩盤浴が人気で、ご支援先では男性客よりも女性客が多い施設がいくつもありました。

それから20年。いまは男女比が逆転し、男性客比率が7割、8割を占めている施設が多くなっています。女性客が多いという施設は一軒もありません。

働く女性が増えて専業主婦が減っていることや、サウナブームで男性客の動きが活発であることが理由と考えていましたが、そういった外部環境の変化だけが理由なのだろうか?と考えさせられることがありました。

愛媛県で、「志津かわ珈琲庵」という郊外型の和風カフェを利用する機会がありました。ちょうどランチタイムだったのですが、目にした光景にびっくりしました。35台ほど収容できる広い駐車場がほぼ満車状態で、店内に入ると、見渡す限りたくさんの女性客で溢れかえり、満席に近い大賑わいだったのです。

このお店がこれほどまでに女性たちを惹きつける理由はどこにあるのだろうかと、職業柄、コンサルタントの目線でじっくりと観察してみました。そこには、女性の心を掴んで離さない見事な仕掛けがいくつもちりばめられていました。

まず、提供されるお料理は素材にこだわった健康的なイメージのもので、見た目にも美しく、体に優しい安心感があります。盛り付けのボリュームは控えめですが、バラエティ感があります。

さらに面白いのが、お団子を自分で焼いて食べるセルフスタイルのメニューがあることです。ただ食べるだけでなく「自分で焼く楽しさ」という体験価値がプラスされています。器も一つひとつが可愛い和食器で、目を楽しませてくれます。もちろん、和スイーツのメニューも非常に充実していました。

何より絶妙だと感じたのは、ここが単なるレストランではなく「珈琲庵」という佇まいをとっている点です。この店名と雰囲気が、お客様に対して「ここは時間を気にせず、ゆっくりおしゃべりを楽しんでいい場所ですよ」という無言のメッセージ、つまり安心感を与えているのです。

結果として、女性たちが集まり、心ゆくまで会話を弾ませる最高のコミュニティスペースとなっていました。

この光景を眺めながら、私はひるがえって昨今の温浴施設の現状を重ね合わせて考えていました。

現在の温浴業界は…

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