震災で倒壊した建物と大破した白い乗用車の横で、支援物資を積んだ軽トラックの前に立つ望月

前回、このテーマで記事を配信した3月9日からわずか2週間足らず。しかし、連日の報道が示す情勢は好転どころか、さらに緊迫の度合いを強めています。

まずは、直近の動向を数字で見てみましょう。資源エネルギー庁が発表した3月16日時点のガソリン店頭現金小売価格調査では、驚くべき数字が並びました。
・レギュラー:190.8円/L(前週比 +29.0円)
・ハイオク:201.8円/L(前週比 +23.2円)

いずれも5週連続の値上がりであり、地域や店舗によってはレギュラーですら200円を突破しています。わずか1ヶ月でここまで景色が変わってしまうことに、戦慄を覚える温浴事業経営者も少なくないはずです。

政府による備蓄放出や補助金の上積みにより、4月にかけて一時的な落ち着きを見せるとの予測もありますが、中長期的な展望はまったく分かりません。

今、最も懸念されている最悪のシナリオは、世界の原油供給の約2割、日本の原油輸入の約8割が通過するホルムズ海峡の封鎖です。

もしこれが現実となれば、現在1バレル110ドル台で推移している原油価格は一気に跳ね上がり、1バレル150ドル〜200ドルに達するというのが専門家たちの見解です。国内には約200日分の備蓄があるため、即座に燃料が底を突くことはありませんが、封鎖が数ヶ月に及べば「価格」の問題は「供給制限(配給制)」というフェーズへと移行します。

そうなれば、製造・物流を含む全ての産業が停滞します。「燃料代が上がったから入浴料をどうしようか」といった、平時の経営判断をのんびり下していられる状況ではなくなるのです。

先週開催した「アクトパス跳会議」では、温浴施設の危機管理をテーマにした講座を担当しました。そこでは食中毒、レジオネラ属菌、火災、自然災害など、多岐にわたるリスクへの対策を呼びかけましたが、正直に告白すれば、私自身の想定の中に「戦争」という二文字は明確には入っていませんでした。

事業の存続は、社会活動が一定程度正常に動いていることが大前提です。水やエネルギーという生命線が断たれる「存続の危機」に直面したとき、風呂屋の商売はお手上げ…そんなイメージが頭をよぎるのも事実です。

しかし、ここで立ち止まって考え直さなければなりません。

私たちは東日本大震災の際、痛烈に学んだはずです。地震や津波で家を失い、寒空の下で震えながら低体温症で亡くなってしまう人。避難所生活で数週間、風呂に入れない人。そんな苦しい時に温かいお風呂があればどれだけ救いになるか。

もし、地域に稼働し続ける温浴施設があったなら。それはレジャー施設ではなく、人々の命と尊厳を守る「最後の砦」となります。温浴施設には、ビジネスという枠を超えた、社会インフラとしての本質的な使命があるのです。

だからこそ…


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