日本のサウナ愛好家数の推移を入浴頻度別にまとめた表

毎年3月7日になると、一般社団法人日本サウナ・温冷浴総合研究所さんから「日本のサウナ実態レポート」が発表されます。

これは2017年から継続して実施されているサウナユーザーの動向に関する調査で、サンプル数1万人という調査規模は、客観的なデータが乏しい温浴業界にとっては貴重なものといえますので、弊社でも調査開始以来ずっとウォッチしています。

毎年春になるとこの調査データを元にしたネット記事が出回るのですが、サウナ愛好家が減少しているという衝撃的なデータを取り上げて「オワコン」「サウナ離れ」といった論調が目につき、温浴マーケットを応援する立場としては穏やかではありません。

「日本のサウナ実態レポート」の調査結果を簡潔にまとめると、
・調査開始時の2017年には2878万人だったサウナ愛好家は2025年では1648万人に減少
・伸長率で言うと▲43%、愛好家人数推計の増減で言うと▲1230万人
・特に入浴頻度の高いヘビーサウナーが減少

といったことになります。

このデータだけ見れば、「サウナマーケット縮小」や「ブーム終焉」といった評価が出るのも不思議ではありません。

しかし、温浴業界の実態を表しているかという点では疑問が残ります。

弊社は日本各地でさまざまな温浴施設の経営をお手伝いし、その実態を把握しております。ご支援する施設だけでなく、時には競合調査で周辺地域の温浴施設をすべて見て回ることもありますので、バリバリの繁盛店から青息吐息の不振店まで、あらゆるタイプの温浴施設を客観的に理解しているつもりです。

その感覚で言えば、この調査結果は現実と一致しているとは言いにくいのです。

この数年間というもの、サウナユーザーをターゲットにした弊社の集客施策は確実に業績アップの成果を上げていますし、業界全体を見渡しても魅力的なサウナ環境を提供している施設には集客力があり、入館制限の頻発やサウナ室前の待ち行列ができているような施設も少なくありません。

コロナ禍の緊急事態においては、たしかにすべての消費行動にブレーキがかかりましたが、むしろ温浴業界は「サウナブームの風に乗る」ことで、コロナ禍にも負けずに市場規模を拡大させてきた、というのが温浴ビジネス専門コンサルタントとしての偽らざる実感です。

新型コロナが5類感染症に移行してからもうすぐ2年経ちますが、今も業績は回復基調で、昨対2桁成長を続けている施設も少なくありません。

サウナブームの動きに関して、記憶に残っているSNS投稿があります。2019年10月…


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注目の業界ニュース

【産後ケアの利用促進へ、温浴施設で新たな試み】
https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&ng=DGXZQOUE1714X0X10C25A3000000&scode=4307
利用率が約1割にとどまる「産後ケア」の普及に向けて、国や自治体、民間企業が連携して取り組みを進めています。神奈川県藤沢市では日帰り温浴施設を活用し、助産師らが育児相談や乳児の一時預かりを行う「産後ケア銭湯」を実施。
こうした取り組みは、地域貢献につながると同時に、施設への新たな来館動機を生むきっかけになりそうです。

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